・お盆とお彼岸の由来

 

日本のお盆は、死者が戻ってくる仏教行事として知られていますが、世界的に死者が戻ってくるという考え方はとても珍しいものです。仏教国であれば「雨安居明けの儀式」はあります。でも、「雨安居明けの儀式」には、死者が戻ってくる日という意味はありません。テーラワーダ仏教の教義でも、先祖の霊が帰ってくるみたいな話は存在しません。日本のお盆は、中国の清明節の影響を受けていて、仏教伝来以前からある先祖崇拝儀礼と仏教儀式が混じりあったものです。

世界宗教である仏教、キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教では、死者が戻ってくる日があるというような迷信を否定しています。日本のように死者の訪問を歓迎するような風習は世界でも稀なことです。雲南省の少数民族の中には、死者が戻ってくるという宗教意識がある民族も存在しますが、仏教には本来、先祖崇拝の教えは無く、このような考えは中国の一部と日本独特のものです。

そもそもお盆とは、日本古来の祖霊信仰と、中国から伝わった仏教の儀式が融合した行事です。「お盆」の名前は、元々中国の仏教において行われていた「盂蘭盆会(うらぼんえ)」という行事に由来します。「盂蘭盆会」は、お釈迦様の弟子のひとり、目連尊者(もくれんそんじゃ)が、亡き母が地獄に落ちていることを知り、その御霊を供養したことに由来した精霊を祀る行事です。日本では、推古天皇が606年7月15日に執り行ったのが最初だと言われています。

現在の日本のお彼岸は、法要やお墓参りでご先祖様や仏様を供養する期間のこと表します。ですが、元来、お彼岸は異なる使い方をされていた言葉でした。お彼岸は、「至彼岸(とうひがん)」を意味する言葉で、「此岸(しがん)」といわれる煩悩と迷いの世界にいる人間が修行によって、悟りの世界である「彼岸」へと到達すること、もしくは到達するための修行のことを指します。外国から渡ってきた至彼岸(とうひがん)が日本独自の宗教観やご先祖様を供養する風習と合わさったのが今のお彼岸です。ですから、日本以外での仏教国には、特にこのような期間は存在しません。お盆やお彼岸などの行事は仏教の行事というよりも、日本の古くからの民族的な文化だったのですね。

 

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