こんにちは!

今日は脊髄空洞症について自分の復習も兼ねて記載していきます。

難病指定されている疾患ですので、名前を耳にしたことがある方もいると思いますがいまいちどんな疾患なのか分からない方も多いかと思います。




脊髄空洞症


脊髄の中に脳脊髄液と呼ばれる液体が溜まり、脊髄が「ちくわ」のような形になってしまう病気です。


写真の空洞病変と書かれているところは正常であれば空洞はありません。


脊髄空洞症の原因は、多岐に渡りますが小脳が生まれつき脊髄の方へ落ち込んでいるキアリ奇形に合併して起こることが多いです。

キアリ奇形には主にⅠ型とⅡ型があります。
Ⅰ型の50〜85%に脊髄空洞症が併発するといわれています。





では、その脊髄の中に流れ込んでしまう脳脊髄液とは?

→脳と脊髄を循環している液であり外部の衝撃などから守っています。



本来であれば、脊髄の周囲を回るように流れていますが、上記記載のキアリ奇形のような場合は液の流れが後頭部のところで滞ってしまい、脊髄の中に流れ込んでしまいます。流れ込んだ結果、脊髄の中から圧迫され運動麻痺や温痛覚障害といった症状が出現してきます。



好発は20〜40代といわれていますが、キアリ奇形は難産であったり生まれつきのものが多く、症状が出てきて病院受診しMRI撮影をして発覚することが多いようです。


この疾患の特徴として症状は緩徐に進行するようです。
母もいろいろと異変を感じ始めたのは6年程前だと思います。



典型的な症状としては
・一側上肢の温痛覚障害

進行すると
・両側上肢と上半身の宙吊り型(ジャケットタイプ)の温痛覚障害
がみられます。


今思うと母も、ドライヤーで頸部のところに火傷を負ったことがあり本人は「熱くなかったの、そのときは火傷したの気づかなかった。あとからベタベタしてて気づいた。」ということがありました。

もっと早くに異変に気付いていればと後悔しかありません。



また、毎回ではありませんが、咳やくしゃみをした際に項部から背中にかけ、痺れのような電撃痛が出現することも特徴的です。



さらに、進行すると手指の筋萎縮や筋力低下、下肢の痙性麻痺も出現してきます。


母の場合は、早期発見とは言えず左手の筋萎縮や筋力低下が起きている状態です。


幸いなことに現在、下肢の症状は出ておりませんが、初診のMRIでは頸部から腰部の脊髄は脳脊髄液が流れており真っ白になっていました‥。
そのため、医師も早期に手術をということで初診の1週間後に入院となりました。





脊髄空洞症は内科的治療はなく、早期発見が何より大切になります。

症状の進行を見極めて外科的手術をします。

手術は主に
・大後頭孔拡大術
 後頭骨を削り減圧することで空間をもたせ脳脊髄液の流れを改善
・空洞ークモ膜下腔シャント術
 管をいれ滞っている脳脊髄液の流れを改善


手術をしても再発する可能性もあり長期的な治療とフォローアップが必要です。


脊髄空洞症は、上記に挙げた手指や下肢の運動障害や感覚障害だけでなく嚥下障害なども出現する可能性がある恐ろしい疾患です。


改めて早期発見し治療することが最優先となります。




今回は脊髄空洞症について記載しました。

分からない部分や質問があれば遠慮なくコメントください!!


次回から、母の脊髄空洞症を診断された経緯を記載していきます。



いま4度目の手術を終えて2日経過しているのですが、荷物届けに行ったら丁度お部屋から姿が見えて体調もいいみたいで元気そうでした爆笑


今日もいい1日だった爆笑