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新刊中身紹介。

中身をちらりと紹介。



【好きを免罪符にして】


「誰だったの?」
 紙袋を手にリビングに戻ると首を反らせて持田がこちらを見ていた。
「城西」
「何で」
「お菓子くれた」
 紙袋を掲げて見せると、またあの人は、とのそりと身を起こした。
「俺の家族、餌付けすんのやめてほしいね」
「餌付けなんてされてないけど」
「真由香は確実に餌付けされてるじゃん」
 持田の頭には城西の人柄ゆえ、という言葉は無いらしい。
 しかしそう言いながらも決して持田が城西を嫌ってはいない事を達海は知っている。



【東京V×達海の本。】


 内容も聞かず頷く達海に、三雲は苦笑しながらゴミ袋を部屋の隅に寄せてベッドに座った。
「達海さん」
「うん?」
「……詰まんなく無いですか、俺といて」
「詰まんなくないよ。どうした、急に」
 思わず身を起こした達海に、ずっと考えていたんです、と三雲は言う。
「たまにしか会えないし、出かけるところもワンパターンだし、俺はその、そんなに見栄えもいいほうじゃないし……痛っ」
 びしっと額を指で弾かれて三雲はびくりと体を竦めた。目の前には眼の据わった達海がいる。



 達海が覚えられたのは、画面に平泉の電話番号が表示されたら平泉に電話をすること、ただそれだけだったが、それだけで十分だった。
「俺、平泉さんの愛人みたいだね」
 にひっと笑ってそう言うと、愛人は嫌かね、と返されて達海は眼を見開いた。平泉には最初に会った時に好きだと伝えて以来、何も言っていない。それでも達海が寄せる好意を平泉は正しく理解してくれていたのだろう。達海は泣いてしまいそうだ、と思った。
「……ううん、嫌じゃない」
 愛人でも、嬉しい。達海がそう笑ってポケベルを上着のポケットに捻じ込み、じゃあね、と帰ろうとしたその腕を平泉の手が引き止めた。



 近付いてみると、くすくすと笑う声が聞こえる。人より聴覚の優れたパッカにはすぐに分かった。達海の声だ。
 けれど達海の他にもう一つの気配を感じてパッカは足を止めた。この気配は、自分と同じ存在が持つ気配だ。
 そっと気配を殺して中を覗くと、そこには背後から大きな翼に包まれた達海がいた。
 自分と同じ存在である、ワッシが達海の身体を包み込んで抱きしめていた。
 ああ、やはりな。どこか褪めた目でそれを盗み見る。
 すぐにワッシがパッカの気配に気付いてこちらをちらりと見た。しかしすぐに視線を外すと甘えたように喉を鳴らして達海の首筋に顔を埋める。