『白鳥の湖』(はくちょうのみずうみ)

チャイコフスキーによって作曲されたバレエ音楽である。「眠れる森の美女」、「くるみ割り人形」と共に3大バレエと言われる。日本では当初、白鳥湖(はくちょうこ)と呼ばれていた。


評価:★★★★★

えーバレエ演目として最も馴染み深いのではなかろうかと思うのですが。

このマシュー・ボーン演出・振り付けのこの白鳥の湖の最大の見所は、白鳥が全員男、というところです。

当然、ザ・スワン&ザ・ストレンジャー、つまりはオデット&オディール役も男性です。

ストーリー自体も大きく改変されていて、現代版というか、王子はチャー○ズ皇○子がモデルだそうです。

王子は身も蓋も無い言い方をするなら女王(母親)への依存の抜けきれない頼りない青年、といった風体で、母親の愛情を求めるも女王は冷たくあしらい、男をとっかえひっかえしてます。

で、なんやかんやで失意の中でザ・スワンと出会うわけですが。

いやもうザ・スワンのなんていうか、清純さと妖艶さが素晴らしい具合に練りあわされて崇高さすら感じさせます。

王子との近づいては離れ、そして触れ合うデュエットは素晴らしいです。

とりあえず、この作品に対して「え?男性版ってことはBL?」とか抜かすヤツは殴る。(真顔)

そういうレベルじゃねえよ芸術をそういう低俗な言い方で表すなよと本気で腹が立ちます。

や、もう、ほんと、ほんとにすごいんだって。言葉では言い表せないくらいの美しさと雄雄しさとセクシーさで指の先まで目が離せません。

そしてザ・ストレンジャーはザ・スワンの時とは打って変わって男らしく粗野な感じすら漂わせ、けれどセクシーさは変わらず大胆な踊りでやはり目が釘付け。

ザ・スワンを踊ってた時の儚げな感じが一転してワイルドなザ・ストレンジャーは女性を誘惑しまくり、女王にモーションかけまくり。そんなザ・ストレンジャーに、彼をザ・スワンだと思い込んでいる王子は絶望して乱射事件を起こします。

ここでの王子とザ・ストレンジャーのデュエットも素晴らしい。何かこう、王子の中で葛藤と疑惑と悲しみと怒りと、そういった負の感情がぐるぐるしてる感じがすごく伝わってきます。

そして精神を病んだ(とされた)王子は部屋に閉じ込められてしまい、絶望の淵で眠りにつきます。

と、眠る王子のベッドの下からにゅっと現れる三羽の白鳥。(笑)

従来の白鳥の湖だと、白鳥は呪いをかけられた実物する女性なのですが、この舞台に関しては白鳥=王子の妄想ということらしいので突拍子も無いところから現れても不思議ではありません。(笑)

無数の白鳥に襲われる王子とそれを守ろうと戦うザ・スワン。

しかし大勢の白鳥たちにたった一羽の白鳥が勝てるはずも無く、ザ・スワンは殺されてしまいます。

そして王子もまた白鳥たちに殺されてしまい、王子が死んでいることに気付いた女王が王子の亡骸を抱えて嘆く背後では幼い頃の姿の王子を抱くザ・スワンが浮かび上がり、終幕。

せ、切ない・・・(ノ_-。)

個人的に、ザ・ストレンジャーが王子を見ながら顔料を顔に塗るシーン、あれが一番衝撃的でした。神だ。