「犬が死んだので明日火葬場に連れて行きたいから休憩一時間余分にください」



その一言を言うのが凄く嫌だ。

出来ることなら理由を言いたくない。けれど「とにかく余分にくれ」もどうかと思う。

だけど価値観なんて人それぞれで。

犬が死んだくらいで仕事を削るなと思う人だっているだろう。

何より、詳細を告げることで「私は悲しいんです。可哀想なんです」と暗に仄めかしているようで嫌だ。


泣くな。


これからバイトだってあるし明日だって仕事がある。

泣き腫らした目で客の前に立つな。

あの子の時間は永遠に止まってしまったけれど私の時間はこれからも続いていくのだから。

泣くな。今は泣いていい時じゃない。

泣くな。