「で、なんで突然海なんですか」
夏でもないのに突然海に行きたいと言い出した男を睨みつけると、彼はあはーといつも以上に間の抜けた笑い顔で日吉を見下ろした。
「えーだって恋人同士でデートって言ったら海なんでしょ?」
またおかしな雑誌に影響されたらしい。
この男は頭は良いが頭が悪い。勉強は出来るのだ。データテニスをやるだけあって頭の回転も速い。なのに一般常識が疎い。
知識としては有るのだろうが、それを自分に適用するという術を持たない。
その上好奇心旺盛で、すぐ雑誌やテレビの知識に食いついて実践したがる。
頭が良くて行動力のあるバカほど厄介なものは無い。
その点ではウチの部長もこの人と同類だと日吉は思う。(だから二人はあんなに話が合うのだ)
「確かにそういうのもありますけどね、普通夏に来るもんです。今秋ですよ、秋」
寒いんですよ風が!
「そうだねー」
駄目だ、何言っても暖簾に腕押し糠に釘。のほほんと流されるだけだ。
「でもね、夏ってなるともう今年は終わっちゃったから来年って事になるでしょ?」
「だからなんなんです」
「そんな頃には海行きたかった事なんて忘れちゃってるよ?」
もう何処から突っ込んで良いのかわからない。
「…そうですね」
好きにしてくれ。
***
ついでにすぐ下にあったぴよいぬも引っ張ってきてみた。(爆)
ぴよしは乾さんと話してるとたまに宇宙人と話してる気分になるらしいよ。