今日も今日とて堂々と立海のコートの外でノートを纏めていると、丸井が駆け寄ってきた。
「ほい」
ずいっと差し出された手の先には、小さな花が一輪、握られていた。
「くれるのかい?」
念のため確認してみると、丸井はにかっと笑った。貰って良いようだ。
小さな白いその花を受け取り、礼を述べると彼は「あっちに一杯咲いてたんだぜぃ」とその方向を指差して得意げに言った。
「あっちって…どう見てもコートの外なんだけど…」
どうやら他の面子が打ち合っている内に抜け出していたようだ。
「気にすんな」
しかし当の本人はからからと笑っている。乾は苦笑し、花を持つ手とは反対の手を丸井の髪に伸ばした。
「ありがとう」
くしゃりと撫でると彼は嬉しそうに目を細めた。
普段は子犬のようにじゃれてくるのに、こういう時は猫のような反応をする。
「丸井!」
しかしコートからの怒り交じりの呼び声に彼はびくんと体を竦ませると乾に短く謝って身を翻した。
雷を落とされている丸井を見ながら乾はくつくつと笑い、そして手にした小さな花を見下ろした。
「シロツメクサ、か…」
マメ科シャジクソウ属の常緑多年草。
別名クローバー、オランダゲンゲ等。
江戸時代にオランダからガラス器が送られてきた際、壊れないよう、乾燥したこの草を詰め物にしたことから「白詰草」の名が生まれたという帰化植物。
つらつらとデータを脳内で再生し、やがて乾は穏やかに微笑んだ。
「花言葉は堅実、約束、感化…私を想って、だったかな?」
きっと彼はそんな事知らずにこの花を渡したのだろうけれど。
かわいいこと、してくれるじゃないか。
帰ったら栞にしよう。
そう思いながら乾はその小さな花にそっと口付けた。
「ほい」
ずいっと差し出された手の先には、小さな花が一輪、握られていた。
「くれるのかい?」
念のため確認してみると、丸井はにかっと笑った。貰って良いようだ。
小さな白いその花を受け取り、礼を述べると彼は「あっちに一杯咲いてたんだぜぃ」とその方向を指差して得意げに言った。
「あっちって…どう見てもコートの外なんだけど…」
どうやら他の面子が打ち合っている内に抜け出していたようだ。
「気にすんな」
しかし当の本人はからからと笑っている。乾は苦笑し、花を持つ手とは反対の手を丸井の髪に伸ばした。
「ありがとう」
くしゃりと撫でると彼は嬉しそうに目を細めた。
普段は子犬のようにじゃれてくるのに、こういう時は猫のような反応をする。
「丸井!」
しかしコートからの怒り交じりの呼び声に彼はびくんと体を竦ませると乾に短く謝って身を翻した。
雷を落とされている丸井を見ながら乾はくつくつと笑い、そして手にした小さな花を見下ろした。
「シロツメクサ、か…」
マメ科シャジクソウ属の常緑多年草。
別名クローバー、オランダゲンゲ等。
江戸時代にオランダからガラス器が送られてきた際、壊れないよう、乾燥したこの草を詰め物にしたことから「白詰草」の名が生まれたという帰化植物。
つらつらとデータを脳内で再生し、やがて乾は穏やかに微笑んだ。
「花言葉は堅実、約束、感化…私を想って、だったかな?」
きっと彼はそんな事知らずにこの花を渡したのだろうけれど。
かわいいこと、してくれるじゃないか。
帰ったら栞にしよう。
そう思いながら乾はその小さな花にそっと口付けた。