大一番で最初はいつもと変わりないかなと思っていたが、ゴール裏の人数が明らかに違っていた。サイドゾーンは埋まらなかったものだが、一階部分が埋まっていて気付けば二階席にも人が流れていた。やはり今日は特別なのだろう。フッキが出場停止でスタメンに選ばれたのは船越だった。天皇杯の悔しさをここで晴らせるか。ここで結果を出せば契約も見えてくる。

    船越
飯尾 DIEGO 廣山
  大野 菅原
服部     海本
  富澤 土屋
    高木

後方からのフィードを船越が落とし、そのボールをディエゴがシュート。試合の入りは悪くない。船越のポストも良く、久々でも試合に入り込めてるなと感じ取れた。
試合が動いたのは11分。右MF大山の不用意なバックパスをディエゴがカットしスルーパス。ラインの間をするりと抜けた船越にボールが通った。相手DFのプレッシャーを受けながらもゴール左に流し込み先制した。相手のプレゼントパスからだが、パスのタイミング、ボールを貰う動きと完璧なものだった。
昇格へ大きく近づいたかに見えたが、ジョジマールから左サイドの星野へ。センタリングが入り内村がヘディングしたボールがふわりとゴールに入り込み同点にされてしまった。
海本から珍しくいいクロスが入り飯尾が決めた、と思いきやあまり勢いが無くゴールならず。その他は廣山が右に走ってからのシュートや、菅原のホームランがあったくらい。前半は1-1で終了した。


    船越
井上 DIEGO SILVA
  晃誠 菅原
服部     海本
  富澤 土屋
    高木


後半もヴェルディペース。飯尾の動きが切れてきて勝負をどんどん仕掛けていた。中に切れ込んでのシュートはキーパーに弾かれこぼれを狙うも相手に阻まれた。チャンスは作り出せている。
右サイドからのCK。キッカーは勿論服部。ファーにいいボールが入りバウルがフリーでヘディングし入った、と思ったらバーに嫌われた。
その後も左サイドからチャンスを作ってキープして後ろに落としてシュートもギリギリのところでDFに弾かれた。敵ながら見事なディフェンスをしてくれる。
左サイドからのCKをこれまでは大野が蹴っていたが服部がキッカーとなった。その服部のキックは中央へ。船越が中央からニアに向けて動き頭をちょんと出してゴール右に決めた。ここで船越のヘディングが決まるとはおもわなんだ。
後半終盤にサイドチェンジからダイレクトで打たれるも義成が好セーブを見せ、その後もやられたと思ったシーンでGKとDFがどうにか凌いだ。そして試合終了。

終了するちょっと前に京都-仙台が0-0となっていたためこれで決まったろう、と思ったが、ビジョンに京都1-0仙台と表示された。昇格は持ち越しとなった。が、ほぼ手中に収めたというのは選手の表情が物語っていた。


フッキ不在の中、変わりに出た船越が結果を出した。ここのところの出来を考えると、来年に関しては少しわからないかなと思っていた。が、ここで来たチャンスを彼は活かした。天皇杯ではシュートチャンスを外すなど精彩を欠いたが、この大きな一番で結果を残し、自身のチーム残留を近づけた。

その船越のゴールをアシストした二人は本当に何度もチームを救ってくれた。一点目のスルーパスを出したディエゴ、彼が京都戦ロスタイムで決めたのが今になって生きている。あの時負けていれば京都との順位は入れ替わっていたのだから。仙台戦での同点ゴール、そして札幌戦のハットトリックが得失点差で大いに効いている。
服部の左足、チームに存在しなかったらこの結果は無かった。気付いたらセットプレーの時には必ずハットに声援を送っていた気がする。この日も決勝点をアシスト。

ディエゴ・フッキ・服部、とJ1へ導く使者達が全て結果を出してくれた。まだ昇格は決定していないが、彼らが私達に与えてくれたものは生涯忘れる事はないだろう。