ボストンも新緑が眩しい季節になった

早朝も夜も冷え込みがなくなってきた。日本のような蒸し暑さはないので日中もさわやかに過ごせる

この10日間、路地裏はまたストックピッチを作っていた。もう止めると決めたのだが、先月知り合ったエージェントにアクティビスファンドに投資案を提案するコンサルファームの紹介を受けたので、そこに提出するためにピッチを作ったのだ

春休みにもかかわらず、2つピッチを作った。一つは東証プライム上場企業だが、時価総額が足らずに東証プライム上場維持基準を満たさない恐れのある会社である

この会社は春先にこの時価総額基準を充足したと発表した。しかしそれから間もなく株価が下落して再び上場維持基準の充足に疑義が生じている。この会社に対して大幅な増配を行う内容の提案書を作った

もう一つは親子上場である。ある上場子会社が10年以上割安に放置されているので株主還元強化の観点で増配を行うこと、そして10年以上業績が低迷している責任を取る形で現社長と管理本部長の解任することを提案書に盛り込んだ

もちろんこの提案は上場親会社によって否決されるだろう。その場合はすでに上場意義がなくなった件の上場子会社をTOBで非公開化することを親会社あての提案書も作った

10日で2つの提案書、体感的には2.5件のボリューム感であり相当疲れた


窓に映る外の景色は新緑で眩しいのに、朝早くから夜遅くまで読んでくれるかもわからないピッチを作っていた

スクリーニングして面白そうな銘柄を発掘したときは興奮を抑えきれなかった。ピッチの作り始めは楽しいが、だんだんとこの内容でいいのか不安になる。そして早く終わらせたいと思うようになる。その一方でこれが最後という思いでいたので細部までこだわった

昨夜、プリントアウトしてドラフトチェックと修正を終えて最終版をエージェントに送った

ようやく終わった、エクセルやパワポからようやく解放された。こんな思いは二度としたくない

3月にもう二度と作るまいと思っていたストックピッチを5月になっても作っているとは思ってもいなかった

件のエージェントに紹介してもらったファンドが公表している提案書を見ると気づきがあった。路地裏が今回作った提案書は銘柄も視点もそのファンドと少しずれていることに気付いた

こうなったら、もう一度作ってみるか。3度目の正直でも相手が振り向いてくれなければ諦めがつくものだ

自分でも不思議だが、まだ立ち上がる力を持ち合わせているようだ

そしてこんな時、偶然が重なるものだ。Linkedinでつながったあるファンドのアナリストから5月末に日本に帰るから会わないか?と連絡があった

もちろん会いたいが物理的に無理なので、今ピッチを作成しているから送ったら見てくれないかと依頼をしたら彼は快諾してくれた

俄然、次のピッチの銘柄選びに力が入る。路地裏のストックピッチ卒業はどうやらもう少し先になりそうだ