キリンとサントリー

　キリンとサントリーの合併交渉が決裂に終わりました。

　国際市場での競争を勝ち抜くための合併交渉、これが決裂したことは非常に失うものが大きいと思います。

　人口減少で国内市場はもはや期待できず、国際市場に打って出る際、血味ドロの戦いをやっていては国際市場で勝てない。数年先を見越しての合併交渉でした。

最後に合併比率がネックとなったようです。創業者の権利について、両者意見がわかれたようです。

　事業承継やM&A、よく決め手になるのは、オーナー側と承継側、買い手側の利害対立です。ロックフェラーもオーナー一族の株主がたくさんになりすぎて最後はまたM&A。オーナー一族との利害を味方につけるのもまた大切なこと。

　交渉事においては、小事をゆずり大事は優先すべし。合併後の収益力に着目すべきだったのではないか？
　古い中国の故事には、「むしろ鶏口となるとも牛後となるなかれ」とあります。どの価値観を優先すべきだったのか？

　すべては「三方よし」の判断基準で考えるべきだと思います。

　今回の合併交渉、「三方よし」の視点が欠落していたにちがいない。