白髪

　小生は　最近　白髪があまりなくなったと思います。

　それがなんと　中学三年ときに、やたら白髪が増えて困ったことがあります。

　自分でも気づいていなかったのです。人に言われてはじめて気づいたのです。言われたことがショックでした。思春期でしたから。
　三年生のとき、小生の後ろの席に座っている女の子もストレスが多かったのかな？なぜか彼女も非常に白髪が多かったのです。卓球部の子で可愛い子でしたよ。

　女の子に、「お前白髪多いいなあ！」なんてこと、このジェントルマンにとって、絶対に禁句ですよね。
　その女の子に対し、ジェントルマンは絶対にそんな失敬なことは言うまい、15歳のうら若き乙女に、絶対にいうまい！心に誓っていたときです。

　なんと、その女の子の口から小生に向けて、信じられないような一言が発っせられました。

　「あんた白髪多いなあ！もう老化現象はじまっとるがな！」

　ショッ～ク。百歩譲って小生は彼女に白髪のことは黙ってあげていたのに…。しかも　そのときはじめて自分に白髪があることに気づかされた…。
　
15歳の少年は異様に傷ついたのです。そう15歳といえば、尾崎豊はすでに、盗んだバイクで走りだし、行く先もわからぬまま…。

　しかも　老化現象はじまっとるがな！　なんと無神経な！

　小生はそれが悔しくて、いつも坊主頭は一枚がりでした。

　白髪が目立たないし、先生には「おっ、T橋気合い入っとるな！」と言われるし、一石二鳥でした(そんな問題かあ～？)。　　　　
　あのときは髪型を気にせず楽でよかった。
　
　小生は　あの時の思い出を忘れることができません。本当にショックでした。
　でも　あの時は　言い返しませんでしたよ。「お前こそ白髪だらけやないか～！」などと、このジェントルマンの口から言えるわけがありませんよ！
　
　今　あの女の子は　幸せに生きてるだろうか？そう、ジェントルマンは静かに彼女の幸せを祈ってます。
　ちょっと　シュールすぎた？