今回は自由恋愛と少子化について書きたいと思います。

 

若者の結婚観と少子化

近年、少子化が急速に進展しています。

2019年の合計特殊出生率は1.36、出生数は約87万人でした。

そして、この少子化の一因に、若者の晩婚化や非婚化があるとされています。

 

そこで問題となるのが、「なぜ若者の晩婚化や非婚化が進んでいるのか」ということです。

これにも多くの理由があると思います。

今回はその中でも「自由恋愛」について考えてみたいと思います。

 

自由恋愛と不自由恋愛

あなたは自由恋愛についてどう思いますか。

多くの方はポジティブなイメージを持っているのではないでしょうか?

 

他者と出会い恋に落ち、その人と結婚する。

確かにステキな話です。

 

このことは自由恋愛の逆、すなわち「不自由恋愛」について考えてみると、一層際立ちます。

 

不自由恋愛の代表例は政略結婚でしょうか。

親の都合で無理やり結婚させられる。

見ず知らずの人物と結婚させられることもあったでしょう。

確かにこれは、幸せではなさそうです...。

 

自由恋愛の功罪

自由恋愛はいいことづくめなのでしょうか?

そうではなさそうです。

 

問題点の1つが、勝者と敗者の格差です。

 

自由恋愛は一種の競争です。

競争である以上、勝者と敗者が存在します。

自由恋愛における勝者とは、容姿や知性が優れていたり、高収入であったりする人でしょう。

敗者はその逆です。

そして、勝者は勝ち続け、敗者が勝者に転身するのは難しいものがあります。

 

例えば、容姿・知性に優れ高収入である男性は、自由恋愛という競争において容易に勝利できます。

一方で、こういった自由恋愛における有利な条件を持たない男性は、1勝するのも困難です。

すなわち、この自由恋愛という競争には、勝者総取りの傾向があるのです。

有利な条件を備えた人物は勝ち続け、その逆の有利な条件を持たない人物は勝つことも出来ない。

 

これは厳然たる事実であり、「自由恋愛のすばらしさ」を追求する上でのコストと考えてもいいかもしれません。

 

この点、自由恋愛は資本主義経済という競争に似ているかもしれません。

資本主義においても、有利な条件を備えた人物がトコトン有利です。

したがって、勝者総取りの傾向も強いです。

これは、世界の富裕層の上位1%が、世界の富の全体の約40%を保有していることからも明らかです。

 

自由恋愛のセーフティーネット

さて、話が核心に近づいてきました。

 

私が言いたいのは、「格差が拡大するから自由恋愛はダメだ」ということではありません。

誰かに指示され、自分が望まない相手と結婚するなどまっぴらです。

 

そうではなく、私が言いたいのは、セーフティーネットの整備ということです。

 

先ほど、自由恋愛は資本主義に似ていると指摘しました。

資本主義というゲームでは、敗者が這い上がるのは困難です。

また、そもそも資本主義というゲームに向いていない人物もいます。

この点をケアするために、社会保障が存在しています。

教育・保険・年金などなど、資本主義といゲームにおける弱者を保護するために、様々な制度が導入されているのです。

 

話を自由恋愛に戻しましょう。

私は自由恋愛にもセーフティネットが必要だと考えます。

結婚したくても出来ていない人物を助けるのです。

 

私の友人にも、「結婚したいけど出会いがない」という人物がいます。

たしかにこれは、サンプル数が少なく説得力には欠けます。

しかしながら、似たような境遇にある人物は少なくないように思います。

 

一昔前であれば、「お見合い」という制度がこうした人物を救っていたのかもしれません。

しかしながら、現代において「お見合い」はすっかり廃れてしまいました。

 

「結婚したくても出来ていない人物を助ける」ことは、国民の幸福追求権の改善につながるかもしれません。

さらに、「結婚したくても出来ていない人物を助ける」ことができれば、少子化も改善できるかもしれません。

 

したがって、自由恋愛におけるセーフティーネットの整備はまさに、政府や地方自治体などの公的セクターが乗り出すべき分野なのではないでしょうか?

 

しかしながら、注意が必要な点もあります。

それは「結婚したくても出来ていない人物を助ける」という点です。

結婚を望んでない人にまで「結婚しろよ」と言うのは、人権侵害です。

 

以上、自由恋愛と少子化について書いてきました。

自由恋愛と資本主義の構造的類似性に気づいたのは、友人との会話の中ででした。

二人ともささやかながら株式投資をやっていたから、そんな話になったのかもしれません。

具体性のない記述ですが、私のメモ書きだと思い、お目こぼしくださりますと幸いです。

おしまい。

 

※ちなみに

この記事では、恋愛・結婚・出産について、厳密に定義していません。

したがって、記事の中で「恋愛したら結婚して。結婚したら出産して。」のように読み取れる箇所が多々あります。

しかしながら、これは私がそういう価値観のみを正当視しているからではありません。

結婚しないカップルの形があるのも知っているし、出産をしない/できないカップルが存在するのも知っています。

もしこの記事を読んで不快な思いをなさる方がいらっしゃいましたら、ひとえに私の文章力が不足しているが故です。

こころよりお詫び申し上げます