映画、TVなど映像業界はデジタル化によって、アナログ時代から大きく変化した。
デジタル化以前に、フィルム撮影からビデオ撮影になって随分と変わっている。
NGを出しても、簡単に、リテークできる。フィルム代の心配をしなくてもよい。
技術的な手間も、かなり簡略された。
しかし、それが良い事ばかりだったかというと、そうは思えない。
撮る側も、演じる側にも緊張感がなくなったように思える。
ビデオカメラの小型化、軽量化によってスピーディな移動演出が可能になり、これまでの映画撮影の文法を無視した作品を生み出した。
(しかし、評価は低いモノばかりであり、映画の文法の重要性を再確認させられることとなった。)
ビデオはフィルムのように現像の手間がない分、撮影後即、編集なんてことも可能になったわけで、ドキュメンタリーの製作などには恩恵であったと思える。
環境の変化も演出などに影響を見せている。
アナログ時代のTVドラマなどで、時間経過を表す演出に、柱時計や壁掛け時計を大写しにして、オーバーラップさせることで、針の移動で、時間の流れを視覚化して見せていた。
同様に、日めくりカレンダーで、月日の流れを見せる演出もあった。
現在、デジタル時計で、同様な演出をしても、時間経過をはっきり感じさせるのは難しいように思える。
CGの発達によって映画の特撮などは大きく変わり、よりリアルな画が作られるようになったが、肝心な脚本演出がそれを生かし切っているとは言えないのが現状であると思う。
アニメーションの場合、従来のセルアニメのように、セル画と背景画の違いを感じさせない、均一的な画面の作成も可能になった。
これはキャラクターと美術との一体化を可能にさせる画期的な事と思う。
(かつて旧虫プロの「哀しみのベラドンナ」でキャラクター設定、美術設定等を一人のアーティストに任せたことがあった)
総じて、デジタル映像メディアはまだ、これから十分に発展するとは思うが、大事なのはやはりそれを扱う人間だという事だ。
3D映画など、ただそれだけを売りにして内容はおざなり、なんてものが多い、がやはり、脚本の段階で、しっかりと作らねば過去の3D映画ブーム同様すぐに飽きられてしまう。
技術は大きく変化しても根本的な部分はアナログ時代とは変わってはいない。基本をしっかり身につけたものだけが生き残ることが出来るであろう。