島根大学は総合理工学部について、2025年度から7つある学科を1つに統合する。入試は一括で実施。学生は専門分野を決めた後も、専攻外の授業を自由に選択できるようにする。学科の垣根をなくし、学生の希望とのミスマッチを減らすとともに、幅広い知識を備えて社会に貢献できる人材の育成をめざす。同大の総合理工学部は、物理工学や機械電気電子工学など7学科を持つ。これまでは入試時に選んだ学科の「事実上一択」になっており、入学後に他の分野を学ぶことは難しかった。学科の統合後も各専門領域は維持するとしている。改組後は、1年生でデータサイエンス関連やプログラミングなど共通科目を学び、2年生で専門分野を決める。先端ものづくり、数理データサイエンスITデジタル、自然環境住環境の3つで、それぞれ標準的な履修モデルを用意するが、それ以外の講義の受講も認める。たとえば電子物理工学を学ぶ学生が建築デザイン関連の講座を受講することも可能だ。伊藤文彦総合理工学部長は「高いアントレプレナーシップ(起業家精神)を備えた人材や、幅広い視野を持って課題解決に取り組める人材を輩出していきたい」としている。