【上海=若杉朋子】三越伊勢丹ホールディングスは30日、中国上海市にある百貨店「上海梅龍鎮伊勢丹」を閉店した。入居する物件の賃貸借契約が満了するのに伴い閉店を決め、約27年の歴史に幕を閉じた。中国本土の店舗は天津市の1店舗のみとなる。最終日となる30日は営業終了に合わせて、店舗の入り口前で関係者らが「皆さんの長年の支持に感謝します」とあいさつし、深く一礼した。上海梅龍鎮伊勢丹は1997年に開業した。日本ブランドの化粧品やアパレル、家電製品を多く扱っていた。近くに住む60代の女性は「家から近いし、接客などサービスが良かったのでよく買い物に来ていた」と閉店を惜しんだ。中国の大都市部ではネット通販の普及などから百貨店が苦戦しており、地元資本の百貨店の閉店も相次ぐ。上海梅龍鎮伊勢丹の運営会社も営業赤字が続いていた。伊勢丹と同じ建物に入っているフィットネスクラブに通う20代の女性は「定期的に来ているけれど、百貨店では一度も買い物をしたことがなかった」と話した。