M&A(合併買収)仲介を手がけるインテグループが18日、東証グロースに上場した。初値は公開価格(3960円)を50%上回る5940円で、終値は5480円だった。東京証券取引所で記者会見した藤井一郎社長は「完全成功報酬制による価格競争力を打ち出す」と強調した。主なやりとりは以下の通り。――株価をどのようにみていますか。「一定の評価を頂けた。ただ今日、明日の株価に一喜一憂せず、中長期的に企業価値を上げるためにまい進していきたい」――競合優位性は何ですか。「上場しているM&A仲介専門会社は当社を含めて8社あるが、当社は唯一、完全成功報酬制度を採用していると認識している。他社は最初の着手金や基本合意した際の中間金などを徴収しており、(完全成功報酬制度は)営業段階から当社の競争力につながっている」「2024年の(市場全体の)M&A件数は過去最高を更新するとみている。少なくとも10年といった中長期でもM&A市場は成長するだろう」――買い手と売り手の双方から報酬を受けることについて利益相反との指摘もあります。「安く買いたい買い手と、高く売りたい売り手に対し、仲介会社や一方に助言するFA(ファイナンシャルアドバイザー)との間には利益相反の構造が存在している。仲介会社についてはリピーターになり得る買い手を有利にしているとの批判がある」「当社では1つの売却案件について、かなり多くの買い手に営業活動を実施している。業界では高額報酬を支払う一部の買い手に優先的に紹介する動きもあるが、当社では高額の報酬を徴収することを禁止している。買い手有利に交渉を進めることはない」――自民党がM&A仲介業務に対する規制を検討しているとの一部報道があります。影響をどう考えていますか。「どのような規制が設けられるかは不透明だが、報酬体系の明示化が業界で議論されている。当社は報酬体系を対外的に公表し、明朗会計で展開してきたとの自負がある。設立以来、『想定外に報酬が発生した』と顧客に言われたことは一度もない。負債額なども考慮するといった複雑な算出方法を採用する会社もあり、(規制は)むしろ当社に有利に働く可能性もある」