【NQNロンドン=蔭山道子】14日午前の欧州株式市場でフランス株の下げが目立つ。代表的な株価指数であるCAC40は構成銘柄が全面安となり、英国時間11時半時点で前日終値を2%あまり下回っている。保険大手アクサ、大手銀行のクレディアグリコルやソシエテジェネラルなど金融株の売りが目立つ。フランスを中心にユーロ圏における政治の不透明感が改めて意識され、公益や消費関連なども含めた幅広い業種銘柄に売りが広がっている。ドイツやイタリア、スペインなど他の主要相場も軒並み下落しており、欧州主要600社の株価指数であるストックス600は前日比1%ほど低い水準で推移している。自動車株に売りが続いているほか、仏タレスや英BAEシステムズといった防衛関連の銘柄が下げている。ドイツ株価指数(DAX)は前日比1%あまり低い。英FTSE100種総合株価指数は同0.6%ほど下げている。英スーパー大手テスコなど小売り関連の一部銘柄には買いが入っている。ロンドン外国為替市場でユーロは対ドルで下落し、英国時間11時半時点では1ユーロ=1.0680〜90ドルと5月上旬以来、約1カ月半ぶりのユーロ安ドル高水準で推移している。前日の同16時時点と比べると0.0090のユーロ安ドル高となる。欧州株式相場の下落などを背景に投資家心理が悪化し、ユーロ売りを促している。英ポンドも対ドルで下落し、1ポンド=1.2700〜10と前日の同16時時点に比べ0.0060ドルのポンド安ドル高で推移している。円の対ドル相場は前日の同16時時点に近い1ドル=156円を挟む水準で推移している。日銀が14日まで開いた金融政策決定会合で追加利上げを見送ったことなどを背景にアジアの取引時間帯には158円台まで円が売られる場面があったが、その後の日銀の植田和男日銀総裁の記者会見での発言などを材料に円買いドル売りが増え、横ばい圏に戻した。ロンドン原油市場(ICEフューチャーズ)で北海ブレント先物相場は1バレル82ドル台後半と横ばい圏での小幅な動きとなっている。ロンドン地金市場協会(LBMA)の金価格は1トロイオンス2327ドル前後に上げている。非鉄金属は、国際指標となるロンドン金属取引所(LME)の銅3カ月先物、アルミニウム3カ月先物とニッケル3カ月先物がいずれも下落している。