【NQNロンドン=蔭山道子】11日午前の欧州株式市場で主要な株式相場は軒並み下落している。前日に下げていた反動から上昇して始まったものの、12日に米国で5月の消費者物価指数(CPI)や米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が公表されるのを前に積極的な買いが入りにくく、各国の主要指数はいずれも下げに転じた。フランスなどを中心に政治や財政面での懸念が出ているのも重荷となっている。英国時間11時半時点で、欧州主要600社の株価指数であるストックス600は前日終値を0.6%ほど下回っている。不動産関連や電力ガスといった公益株、資源株が下げている。イタリアのウニクレディト、スペインのバンコサンタンデールなど銀行株が軟調に推移しているほか、海運世界大手のAPモラーマースク(デンマーク)の株価下落が目立つ。他方、化学大手の独コベストロ株が買われている。スペインの代表的な株価指数であるIBEX35とイタリアのFTSEMIBは、前日比の下げが1%を超えている。フランスのCAC40と英FTSE100種総合株価指数はそれぞれ前日比0.8%ほど下げている。ドイツ株価指数(DAX)は同0.7%ほど低い水準で推移している、ロンドン外国為替市場でユーロは対ドルで小幅に上昇し、英国時間11時半時点では1ユーロ=1.0740〜50ドルと、前日の同16時時点に比べ0.0010ドルのユーロ高ドル安で推移している。前日からのユーロ売りの流れは一服したものの、米FOMCの結果発表などを12日に控え、ユーロ買い売りを積極的に進める展開とはなっていない。英ポンドは対ドルで上昇し1ポンド=1.2740〜50ドルと、同0.0030ドルのポンド高ドル安で推移している。11日発表の英雇用統計で、2〜4月期のボーナスを含む週賃金上昇率(3カ月平均、前年同期比)が市場予想を上回りポンド買いドル売りを誘っている。ただ2〜4月期の失業率は1〜3月期から上昇しており、ポンドの上値を抑えている。ロンドン原油市場(ICEフューチャーズ)で北海ブレント先物相場は1バレル81ドル台前半に下落した。ロンドン地金市場協会(LBMA)の金価格は1トロイオンス2308ドル前後に下げている。非鉄金属は、国際指標となるロンドン金属取引所(LME)の銅3カ月先物とアルミニウム3カ月先物は下落している。