スズキは8日、月額10%以上の賃上げを4月から実施すると労働組合に回答した。基本給のベースアップ(ベア)に相当する賃金改善分と定期昇給にあたる賃金制度維持分、人事制度の刷新に伴う総額で、組合要求の2万1000円を上回り過去最高の水準になる。従業員の働きに好待遇で報い、さらなる成長を目指す。8日に開いた労使交渉で回答した。年間一時金は前年度より0.4カ月分多い6.2カ月分の組合要求に満額で回答した。年間一時金も過去最高となる。スズキの鈴木俊宏社長は「労使が一体となって個の成長と会社の持続的成長を実現する」とコメントした。スズキの足元の業績は好調だ。23年4〜12月期の連結決算は、純利益が前年同期比8%増の1981億円だった。半導体不足の影響がほぼ解消して四輪車生産が回復し、主力のインドで多目的スポーツ車(SUV)の販売が好調に推移している。世界販売は前年同期比3.3%増の228万3000台となった。24年3月期の連結営業利益は4300億円と過去最高を見込む。