通販大手のジャパネットホールディングス(HD、長崎県佐世保市)傘下で、地方創生事業を担当するリージョナルクリエーション長崎(長崎市)は11日、建設中の「長崎スタジアムシティ」(長崎市)を報道陣に公開した。ピッチと客席が国内で最も近く、迫力あるプレーを楽しめるサッカースタジアムが中核施設で、10月14日の開業を予定している。この日は約2万人収容のサッカースタジアムと約6000人収容のアリーナを公開。開業後はそれぞれ、プロサッカークラブ「Vファーレン長崎」とプロバスケットボールクラブの「長崎ヴェルカ」のホームとなる。工事の進捗状況は94.4%という。サッカースタジアムは、ピッチから観客席までが約5メートルと日本一近いのが特徴だ。現在はロール状の芝(幅75センチメートル×長さ7〜5メートル、厚さ2センチメートル)をピッチに1列ずつ丁寧に張る作業が進められている。Jリーグのホームゲームは年間約20試合。試合のない日は観客席でランチを楽しんだり、屋外会議のスペースなどに利用してもらう。「ピッチを来場者に開放する日を設けて、芝生の上で楽しんでもらうことも検討している」とリージョナルクリエーション長崎プロジェクト推進部の藤沢翔部長は明かす。一方、アリーナの観客席は約1000席から6000席の可変式で、ライブや各種イベントなどに対応できる。コース料理を味わいながら個室から試合観戦やイベントを楽しめる「VIP BOX」も用意した。屋上にはフットサルコートや3×3コートを設置し、スペースを有効利用する。併設された地上14階建ての「スタジアムシティホテル長崎」では、243室ある客室のうち、約7割の部屋からスタジアムを見下ろせる。地上約60メートルの最上階には、ライブレストランとバーを設置。通販大手らしく、客室のテレビや加湿器といった家電製品、寝具などの気に入った商品をその場で購入できる仕掛けも用意する。長崎スタジアムシティはJR長崎駅から徒歩10分の約7.5ヘクタールの工場跡地に総事業費約900億円をかけて大型複合施設を整備する開発プロジェクト。サッカースタジアムとアリーナのほか、ホテルやオフィス、商業施設などで構成する。今後は駐車場棟をのぞく建物の工事を7月末に終え、8月以降は開業に向けて内部のテナント工事や機器の搬入などを進めていく。開業前日にはスタジアムに約2万5000人を無料で招待し、地元出身のミュージシャンで俳優の福山雅治さんがこけら落としのコンサートを開く予定だ。