【NQNニューヨーク=矢内純一】29日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落して始まり、午前9時35分現在は前日比427ドル68セント安の3万8425ドル18セントで推移している。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ開始時期を巡る不透明感から米長期金利が上昇(債券価格は下落)し、株式の相対的な割高感を意識した売りが出ている。29日朝の米債券市場で長期金利は前日終値(4.55%)を上回る4.6%前後で推移している。FRB高官から利下げに慎重な発言が相次いでいるうえ、米経済の底堅さを示す経済指標もあり、金利の上昇につながっている。29日も複数のFRB高官による発言機会があるほか、午後には6月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の討議資料となる米地区連銀経済報告(ベージュブック)の公表を控える。ダウ平均の構成銘柄ではないが、エヌビディアが下落して始まった。前週の好決算を受けた株高に一服感が出ており、投資家心理の重荷となっている。アドバンストマイクロデバイス(AMD)など他の半導体株も下げている。ダウ平均の構成銘柄では、ユナイテッドヘルスグループの下げが目立つ。インテルIBM、スリーエムも売られている。半面、アップルジョンソンエンドジョンソンが上昇している。 ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落して始まった。