市場との対話は難しい。わかってはいるが、もっとうまくやれたのではないかと後味の悪さが残る。植田和男日銀総裁の為替と金融政策をめぐる発言である。植田氏は4月26日の記者会見で、最近の円安について次のように語った。「基調的な物価上昇率に、今のところ大きな影響を与えているということではない」ここまでだったら、さほど大きな問題にはならなかったにちがいない。前段で円安に関し「(物価に)無視し得ない影...