【ワシントン=芦塚智子】米東部ニューヨークの州地裁で開かれているトランプ前大統領の刑事裁判に、共和党のジョンソン下院議長やトランプ氏の副大統領候補に名前が挙がる政治家らが相次いで駆けつけている。裁判を「民主党による選挙妨害」と批判し、トランプ氏への忠誠心アピールを競った。ジョンソン氏は14日、地裁前で記者団に対し「トランプ氏は友人で、支援のために来た」と説明。「彼らはトランプ氏を裁判所にとどめ、選挙活動をさせないために意図的に裁判をしている」と検察を非難した。下院共和党の保守強硬派議員が3月末にジョンソン氏の下院議長解任動議案を提出した際、トランプ氏はジョンソン氏支持を表明した。ジョンソン氏が裁判所まで出向いたのはトランプ氏への感謝を強調するためとみられる。11月の大統領選で返り咲きを目指すトランプ氏の副大統領候補に名前が取り沙汰される実業家のラマスワミ氏やノースダコタ州知事のバーガム氏らも同日、裁判所に姿を見せた。バンス上院議員は13日に裁判を傍聴し、記者団に「検察側の人間は1人残らず実質的な民主党の活動家だ」と主張した。米メディアは、裁判がトランプ氏の副大統領候補選考の場と化したと指摘している。このほか複数の共和党の上下両院議員らが裁判所を訪れた。トランプ氏は、不倫相手だったと主張する女性への口止め料を不正に処理したとして罪に問われた。トランプ氏は裁判関係者への攻撃的な発言を禁じるかん口令を受けている。米メディアによると、議員らはトランプ氏の指示を受けていない限りかん口令の対象ではなく、発言は自由というのが専門家の見方だ。