【ジャカルタ=共同】潜伏先のインドネシアで拘束されていた岡山県赤磐市の観光農園「西山ファーム」元代表取締役、山崎裕輔容疑者(43)の身柄を愛知県警の捜査員に引き渡す手続きが12日、ジャカルタ近郊で終了した。県警は詐欺容疑で逮捕状を取得しており、13日朝に成田空港に到着する航空機で移送し、機内で逮捕する方針。移送に先立ち、拘束されていた同国西部バタムでは12日、入管当局が記者会見を開いた。山崎容疑者も背を向けて立ち会い、「違法性の認識はあったか」との問いかけに無言だった。当局は携帯電話4台やプリペイドカード4枚、ロレックスとみられる腕時計など拘束時の所持品を公開した。山崎容疑者は日本出国後、各国を転々とした後、2021年4月にインドネシアに入国。22年6月まで現地で鉄鋼関連企業に在籍し収入を得ていたとの情報もある。県警によると、西山ファームは15年から海外転売事業を展開、19年に事実上破綻した。事業に出資すれば配当を上乗せして返金するとうたい、愛知県を中心に31都道府県の930人から計133億円を集めたとされる。出資法違反罪に問われた元幹部ら5人の有罪が確定している。県警は山崎容疑者が主導したとみて調べている。捜査関係者によると、山崎容疑者は同社幹部らと共謀し、19年にかけ、横浜市の女性らに「配当を得るには保証金が必要」などとうそを言い、商品購入代金や保証金名目で金をだまし取った疑いが持たれている。