本作における2049年という舞台設定は、あくまで前作『ブレードランナー』製作時に想像された2019年という未来世界の延長線上にある為、デジタル機器の発達等は現実世界のそれとは異なるものとなっている(監督のドゥニ・ヴィルヌーヴ曰く「2019年のブレードランナーの世界にはスティーブ・ジョブズなんていなかったから」)。エマネーター(Emanator)ウォレス社製ポータブルデバイス。ジョイのシステム本体と同期することで屋外にデータを持ち出すことができるようになる。起動音にセルゲイ・プロコフィエフの「ピーターと狼」から主人公ピーターの演奏フレーズが使用されている。ウォレス社(WallaceCorporation)二アンダー・ウォレスが代表を務める巨大企業。遺伝子組み換え食物の開発と技術提供で躍進、2028年にタイレル社の資産を買い取り新型レプリカント「ネクサス9型」を製造。地球外植民地(オフワールド)の開発を推し進めている。基本検査(Post-TraumaBaselineTest)KがLAPDに帰還する際に受けるレプリカントの精神状態を測る為の心理テスト。暗唱に使用されている言葉はウラジーミル・ナボコフの『青白い炎』から引用されている。スピナー(Spinner)通常の地上走行の他、垂直離着陸、空中を飛行することができる自動車の総称。Kが搭乗する「ポリススピナー」はプジョー製で、ルーフ部に「パイロットフィッシュ」と呼ばれる小型無人飛行探索機を、車底部には機関銃を搭載。また発信装置により現在地をLAPDのジョシ警部補のオフィスで把握できるようになっている。ポリススピナーはダブルネガティブの田島光二がコンセプトデザインを担当。田島はジョイの巨大ホログラム、日本語の看板のデザイン等も手がけている。2022年にアメリカ西海岸で起きた大規模停電。何者かによって引き起こされた高高度核爆発によりEMPが発生、あらゆるインフラがダウンし都市機能が数週間停止した。これによりほとんどの電子記録が損傷、破壊され過去の記録が判読不能となってしまった。タイレル社(TyrellCorporation)21世紀初頭にレプリカントを発明した企業。ブラックアウトと度重なるレプリカントの反乱で製造を禁止され、2023年に倒産。ネクサス8型(Nexus-8)タイレル社製のレプリカント。レプリカント製造禁止法成立以前に製造された旧型で、反乱の恐れがあると見なされており、「解任」の対象となっている。その為身分を偽り一般社会に身を潜めている。右目に製造番号が記されており、それによってフォークト=カンプフ感情移入検査によるテストが必要だったネクサス6型と違い、人間かレプリカントかを判別することが容易になっている。ネクサス9型(Nexus-9)タイレル社の資産を手に入れたウォレスにより製造された最新型レプリカント。寿命年限は設定されておらず、自らの命を絶つことを主に命じられても一切逆らわないなど完璧な従順型として設計されている。ブレードランナー(BladeRunner)自我に目覚め反乱や脱走事件を起こし人間社会に紛れ込んでいるレプリカントを発見、「解任(抹殺)」する任務を負った警察の専任捜査官。強力なネクサス8型レプリカントに対抗する為に従順なネクサス9型レプリカントも捜査官として投入されている。メモリーベアリング(MemoryBearing)透明な球体型記録媒体。経年劣化により濁りが増すと、データの読み込みが難しくなる。ウォレス社の記録保管所に、レイチェルの保存データとして2019年のデッカードとの会話音声が記録されたメモリーベアリングが保管されていた。ラスベガス(LasVegas)アメリカ西部の巨大なゴーストタウン。かつては歓楽街だったが、放射能汚染により人が立ち入れなくなり廃墟と化した。前作の美術を担当したシド・ミードがコンセプトデザインを手がけた。レプリカント(Replicant)宇宙開拓の為の労働力として遺伝子工学により産み出された人造人間。開発者はタイレル社社長エルドン・タイレル。人間を凌駕する身体能力と開発者と同等の高い知能を備えている。2023年より製造禁止法が施行されていたが、ウォレスの働きかけにより2036年より再び製造されるようになった。ロサンゼルス(LosAngeles)ウォレス社地球本部がそびえ立つアメリカ西海岸に位置する大都市。海面上昇により沿岸の陸地は失われ、市街地は内陸に移動している。「セプルベダウォール」と呼ばれる巨大な防壁によって海から守られている。住人のほとんどが外出時には防塵マスクを着用するほど空気が淀んでおり、映像が投影しやすいので、3Dのホログラム映像が広告として使用されている