※今回は非常にデリケートな界隈の話を書きます。 興味をもっても、冷やかしで行くのは絶対にやめましょう。
5/4 快晴の日
私は妹を連れて、首都高で車をかっ飛ばしてた。
赤ブーブー通信社主催の同人誌即売会に一般参加するためである。
そう、アラサーの男が女性向けイベントに行こうとしていた。
1.百聞は一見にしかず
なぜこのようなことになったのか。
ことの経緯は数カ月前。
友人とのオタク談義をしてる時に、「消えた古のオタク界隈は、女性向けは生き延びている」という話になった。
現実の生きづらさを創作にぶつけ、同じ同胞と分かち合う。
そんなオタクがまだいるのかと、私は気になった。
そこで、女性向け同人イベントに行ってみようと思った。
男性向けは企業と金に埋もれ、人気なキャラもののR18ばかり。
わずかな情報から妄想を広げ、それを絵にする。そんな作品は少なくなった。
女性向けはジャンルは多種多様。100万人の一人向けが多い。という情報を元に、百聞は一見にしかずで行こうと思ったのだ。
上に加えて幾つかの目的を作った。
·推し作品があったら買おう(カタログを見きれていなかった)
·とにかく気持ちと声は出さない(部外者という意識で歩く)
·観察しよう(コミケとどう違うかなど見ておこう)
の3つも目的にした。
2.圧倒
で、実際に行ってみた感想だが…
疲れた!!!!とにかく疲れた!!!!
何でしょうあの雰囲気!オーラ!!至るところからの会話会話トーク会話!!
何年も野生から隔離してた肉食動物達がついに同胞と出会えた喜び、そんな雰囲気が至るところから来る!
作者と楽しく会話し同じ思いを持った同士が無限の会話を繰り広げる。ついに会えた、やっと伝えられる、そんな思いがこちらまで来る。
そう。これは愛だ。
愛の無差別爆撃だ。
ただ歩いてただけなのに、私の体力はどんどん削がれて行った。目星をつけてた作品を手に取る元気すらなかった。
いつしか私は空を見上げ、喫煙所で妹を待っていた(笑)
3.初めて見る世界
少し取り乱しました。(トラウマかな??(笑))
まぁコミケしか経験のない私にとっては新鮮でしたね。
まず、異臭がしない!!汗臭くない!!
…まぁこれが普通なんですが(笑)
次に、服がカラフル!!
推し作家に会いに行くのだから、相当気合いいれてると聞きました。
そして前項でも書きましたように、会話がすごい!!
もう、至るところから会話が聞こえるんです。
コミケなんかよりも全然。
帰りに妹が言っていた。「ネットの世界って、現実にあるんだ!」という言葉。
それだ!と思いました。
小さなコミュニティでしか生きられない、そう思ってる人たちが、ここに集っているんだ。
大衆向けになったコミケとは違う。本当に大衆が踏み入れてはいけない世界。
いや、彼女達が守り抜いてきたコミュニティでしょう。
それが、これだったのか。
しかし…少し悔しかった。
こんな素晴らしい所なら、もっと調べて推し作家見つけて来るべきだったと。
これでは、私は冷やかしにきてるようなもんだと。
次回は、とことんリサーチして推し作家が出るイベントに行ってみようと。
同じ癖をもった同士として、感謝を伝えたい。
そう思えるほど、この日のイベントの参加者は、とてつもなく輝いて見えた。
4.残すべき文化
さて、本当にオタクと呼べる人たちが愛を叫ぶ場を見てきたわけだ。その上で、私はこの界隈にリスペクトと称賛の気持ちをもった。
では、この文化をのこそうとしたとき私に何ができるだろうか。
答えは簡単だ。何も、しない。
客を増やすために宣伝する必要もない。
男が応援してるよアピも必要ない。
なぜなら、このコミュニティはすでに完成してるから。
女性たちが苦しむ同胞を迎え、文化維持のために暗黙のルールを多く作り、こうして今もひっそりと賑わっている。
素晴らしいじゃないか。
あえて願いを言うなら、無知なバカ共やミーハーが来ることに、はっきりとNoを叩きつけ続けて欲しい。
必要ならば、お手伝いします。
5.郷に入っては郷に従え
こんなに書いておいて何言ってるんだ。
と思うでしょう。
私が、このイベントを経験して思うのはこれです。
「郷に入っては郷に従え」
オタク界隈では…一般的に…
そんなものは彼女たちに不要である。
出来上がってるコミュニティには、しっかりとその界隈の歴史、ルールを学んで行くべきである。
今までは曖昧だったこの思いも、彼女たちの輝きと、妹の笑みを見て、強固な思いになった。
このブログは、感想であると同時に、注意喚起です。
人の輝きは、決して触れて邪魔してはいけません。
後方腕組マンになって、うんうんと頷いていればいいんです。
だから私も、次回は一般で買いにいきたいと思えたのです。
一人の世をひねくれたら目で見てる私にとって、素晴らしい人たちの集まりに見えたのです。
そのくらい、彼女たちは、輝いていました。
読んでいただき、ありがとうございました。