全20回のほぼ半ばまできた、年初めの9回目では、
 

「今まで学んできたことを、より実生活に活かしていくために
毎日記録してみましょう。」
 

と、講師の新海みどりからいわゆる「宿題」の提案がありました。
 

「宿題を出すのも出されるのもいや」という新海ですが、
具体的に書き出すことで明確になり、効果的だった生徒さんがおられたらしく、

試すことに決めたそうです。
 

どんな風にするかというと…
 

1)学んだことを使う状況や行為=Activityを具体的に選ぶ。
「歩く時」といった漠然とした感じではなく、
「家から大通りに出るまでの細い道を歩く時」といったように具体的に選ぶ。
 

2)何の「お道具」(=刺激に対する習慣的反応を抑制する方法)を使うかを決める。
{以下3つのいずれかの要素が思いやすいものを、1)で設定した状況下で「思う」。}
*プライマリームーブメント(頭と首と胴体の関係から発生する動き)
*自分自身全体
*空間全体(統合された注意の場)
 

3)Activityをするときに「お道具」を使ってみた、その結果=フィードバックを

記録する。
 

「今までどんなお道具を使ってきましたか?」という質問に、
 

足の裏の感覚を思い出す。
地面を感じる。音楽を聴くような感じ。
「ソフトアイ(柔らかい目と思って見ること)」を思いだす。
周りと頭上の空間をイメージする。
分母を増やす。(1つの感覚にばかり注意が向かう時に他の感覚を思いだす)
 

このようなものが参加者からあがりました。
 

「では、そのお道具を、さらに具体的にしましょう。」
 

○「足の裏の感覚を思いだす」の場合、「足の裏で靴下、床を感じる」にする。
触れているもの、靴下、床など「触れているもの」を参考に自分を知る、
というお道具に変換。自分の足の方の感覚を思いだそうとすると
「感じよう」として緊張を生みがちだから。
 

○「分母を増やす」の場合,これも具体的に思えるようにさらに細分化する。
→「周りの音を聞く」「触れているものに気づく」「目に入るものをみる」など。
さらに
「触れているものに気づく」→「イスの座面を感じる」にするなど
できるだけ具体的にします。
 

そうした「お道具」が上記の3つのどのカテゴリーに入るか、考えます。
「足の裏で靴下、床を感じる」は「自分自身全体」でもあり「空間全体」

が思いやすいかな、「分母を増やす」は「空間全体」を思いやすいかな、
 

 

どれが正解で、新海が○×をつける、ということではなく、
自分がどんな風に考えて使っているか、どんな風にカテゴリー分けをするか、
どの項目をたくさん使うかなどを明確にして自分の傾向を知ること、
また「お道具」をいつもよりさらに具体的にしてみると、
どうなるか実験してみることが大切な宿題です。
 

 

その宿題の説明のあと、8 direction、
からだの中に△、□、○、台形など図形を思うゲームをしました。
 

8 directionは一人の人が真ん中に立ち、真ん中の人とは距離を置いて、
一つずつ8方向に人が立っていくというもの。
 

一人で立っているときよりも、
まわりに人が立ってくれると自分が立つサポートになりました。
「一人で立つ」とは、自分自身の身体がしっかりしていないといけない気持ちがしますが、立っている周りの人を感じられているほうが「一人で立つ」ことがより楽になる。不思議な感じです。
 

からだの中に図形を思うと、いろいろ気持ちが変わりました。
△はどんどん前に進んでいきやすい
○はなんだかまろやかなきもちになる
台形は前をすぼめた側にするときと、前が広がった感じにする時は違う感じがする
参画や台形を上下にしてみると感覚が違う
などの感想がありました。
 

人の感覚に「正解」「不正解」はなく、ただただ実験してみるだけなのだなあと実感するゲームでした。