11月12日、国立京都国際会館にて、第27回京都賞思想・芸術部門を受賞された、坂東玉三郎さんの講演会、ワークショップに参加してきました。
当日は気持ちよいお天気。
当日朝に新幹線で京都に向かい、そのまま国立京都国際会館へ。
開場12時の少し前に、到着したのですが、既に300人くらいの方が並ばれていました。
開場と同時に、誘導がはじまりますが、10人程度に受付人数が区切られますので、
落ち着いて会場に入れます。
受付では、来場者を示すリボンと、パンフレットが渡されます。
会場は、自由席で、前方はいわゆる国際会議の1つの国が6人くらいで座れるような
テーブルつきのお席で、中ほどより普通のホールの座席となります。
私は、3列目、やや右よりのお席に座りました。
(それでも、ステージまでの距離は結構ありますし、座席に段差がないのでちょっと見難いです。
ホールの座席のほうが、気持ちよく見えるのではないかと思います。)
会場内では、玉三郎さんの2歳くらいの頃から今日に至るまでのお写真が飾られていました。
また、今までの受賞者の方々のお写真も飾られていました。
ほとんど海外の方ですが、黒澤明監督、安藤忠雄先生、吉田玉男さんなど、立派なお写真が
飾られており、いつもの歌舞伎や舞踊会と違う、ちょっとした緊張感があります。
講演会は、時間通りに始まりました。
当日は
13:00-14:00 第一部 歌舞伎の女形について
玉三郎さんのレクチャー(大笹吉雄さんとの対話形式)
14:25-16:00 第二部 玉三郎の美の世界
玉三郎さんと3名の専門家の方々によるパネルディスカッション
でした。
第一部では、
玉三郎さんが女形を始めるまでのいきさつ、
ステージに立たれての女形の型と、型への考え方などをお話されました。
玉三郎さんは、身体を使ってのレクチャーもあるためか、動きやすい着流し姿でご登場です。
小さい頃は、お家で稽古してもらっていたが、お稽古以外の時間でも、自分でレコードをかけて踊っていたこと。
近所の方 尾上琴糸さん(六代目梅幸さんのお弟子さん)とのご縁で、部屋子になった。こういった受賞の機会に、琴糸さんのお話ができて嬉しい。
学校より、楽屋の生活が好きだったこと。
学校の先生は理解があり、歌舞伎も好きだったこともあり、色々と応援してくれたこと。
身体を使ってのレクチャーでは、
扇の使い方、
年齢による女形の型の違い
を見せて下さいました。
また、きれいなポーズがあるのではなく、一連の流れ、雰囲気の中で美しさや心がでてくる。
そして、そういった美しさというのは、動作の始めと終わりは決まっていても、
それをつなぐ部分は、舞台では毎日異なっていて、
そういった計算のつかない、ゆらいだ部分にあるのではないか、ということ。
きれいな形は、楽にはできないこと。
声の訓練は、唄にかかっていること。
などをおっしゃっていました。
また、大笹さんに、「お六を見せて欲しい。」と頼まれたときには、
玉三郎さんは「できません。それは、こういった素のままでは何かの役はできないのです。」とおっしゃっていました。
第二部は、パネルディスカッションです。
玉三郎さんは、黒いスーツに、メガネ姿でご登場です。
主に、監督、出演された映画について語られました。
天守物語は、記録的な意味もこめて作ったこと。
戯曲を映画にすることの難しさ。
戯曲の味を崩さないように、カメラのながまわしにこだわったこと。
また、バレエについても、語られました。
玉三郎さんがご出演されたバレエの映像がでたときには、
玉三郎さんは、とても恥ずかしそうにされていたのが印象的です。
(「ちょっと、これは説明させてください。」と必死におっしゃっていたのも、かわいかったです。)
舞台を離れて、玉三郎さんの芸へのお考えを聞くことのできる貴重な機会でした。
そして、玉三郎さんは、途中でくしゃみをされたり、照れていらっしゃったり、よくお笑いになったり、
とてもおおらかで、お茶目な雰囲気を感じました。
ご自身も、「いつも美しく冷たい、どこか陰気な役や多いのだけれど、『ふるそで~』のような自分をさらけだせる明るい喜劇が好き」なのだとおっしゃっていたように、のびやかな明るい方なのだなあ、と思いました。
ご活躍されている方は、おおらかな精神を持ちながら、細部まで心を砕き浸透させていくこだわりがある、
そんなことを感じながら、鳥彌三の水炊きを食べた京都の夜でした。
(紅葉にはちょっとはやかったです。)