アーセナルのポジション別レビュー&プレビュー。
第5回はセントラルMFその1、サッカー素人の私には見極めがとても難しいですが、ソングのポジションということでお願いします。

昨シーズンの先発出場試合数を振り返ると…
ソング【プレミア:33/CL:8】
フリンポン【プレミア:3/CL:2】
コクラン【プレミア:2/CL:0】


 

プレミア開幕戦でバートンを踏みつけて3試合の出場停止を食らい、ユナイテッド戦での歴史的惨敗を含めスタートでの大きな躓きの一因となってしまったものの、シーズンを通してみれば止まらない進化を続けてくれた1年でした。
相変わらず熱くなりすぎるきらいはあるものの、ボール奪取一つとっても年々スマートになってきているし、CBからのくさびのボールを捌く姿にも落着きが漲っていました。

更に、チームトップでプレミア全体でも4位タイの11アシストはお見事。
チェンバレンの「ファブレガスの技術を思い出すことがある」は言い過ぎだとしても、土壇場で貴重なゴールをお膳立てした右足は、相手の警戒の薄さもあってとても効果的でした。
エバートンやリバプールとの試合にケリをつけたファンペルシとのホットラインは、今見返してみてもゾクゾクします。

贅沢を承知で注文を出すとすれば、チャレンジ自体が少ないミドルレンジからのシュートでしょうか。
ただ、アシスト能力の飛躍的な向上を目の当たりにすると、現在は消極的に映るミドルシュートについても期待できるんじゃないでしょうか。


 

さて、年明けから徐々に噂に上がることが増えてきたレンヌのエムビラ獲得はまだくすぶっています。
確かに、ソングのバックアッパーには若干不安があって、2月に右ひざ前十字靭帯を断裂したフリンポンは10月頃復帰とか言われているとはいえ年内に復帰できれば御の字、SBでなかなかのプレイを見せたコクランもスピードはあるものの軽さが目立つので、エムビラ加入が実現すれば質の高いターンオーバーが可能になるし、ソングにも良い刺激になります。
2人ともCBとしてもプレイ可なので、守備陣の層は飛躍的に厚くなります。

この補強は昨シーズン一度も公式戦のピッチに立てなかったウィルシャーのコンディション次第とも言えます。
ウィルシャーがフォームを維持できれば、2枠のセントラルMFのポジションをアルテタとソングの3人で回し、不測の事態はディアビやコクランで対処するという青写真が描けますから、ガナーズの若き司令塔の回復具合次第と言えるかもしれません。
9月とも10月とも言われる復帰はいつになるのか、またまた先延ばしになんてことにならなければ良いんですが。
アーセナルのポジション別レビュー&プレビュー。
第4回は左サイドバックです。

昨シーズンの先発出場試合数を振り返ると…
ギブス【プレミア:15/CL:4】
アンドレ・サントス【プレミア:10/CL:5】
ヴェルマーレン【プレミア:9/CL:0】
サニャ【プレミア:1/CL:1】
コクラン【プレミア:1/CL:0】
ミケル【プレミア:1/CL:0】
トラオレ【プレミア:1/CL:0】


 

相次ぐ故障者に悩まされたガナーズの象徴的なポジションですね。
ヴェルマーレンを起用せざるを得なかったことを考えると、欠員が続出したのは痛かったです。

ガナーズに在籍しているレギュラーを目指している若手の中で最高に恵まれている環境をギブスが活かせていないのは何ともじれったいです。
クリシが抜けた昨シーズンの開幕時点での競争相手はレンタルバックのトラオレ→サントス獲得に伴いそのトラオレはQPRに完全移籍。
ヴェンゲルの“ギブスの伸びしろありき”の編成に対して、とにかく多くて長い離脱で期待を裏切り続けている現状は歯がゆくて仕方ないです。

相手に裏を取られるシーンが多いポジショニングだったり、軽いファーストコンタクトであったり、課題は山積していますが、とにもかくにも健康体を保ってもらわないと話になりません。
頻繁にエリア内に侵入できる攻撃力での貢献はクリシを凌駕しているだけに、怪我を減らして貴重なイングランド人プレイヤーとしてガナーズのレギュラーを掴んでほしいものです。


 
 
サントスは好き嫌いを含め評価や判断が難しい所ですね。
ガナーズ入団の時には、これほどストロングポイントとウィークポイントがはっきりしている選手だとは思いもしませんでした。

ネガティブな面を挙げていけば、正直キリがないです。
不用意にボールハントに行ってかわされてしまう守備。
突如思い立ったように走り出すオーバーラップとデニウソンに負けないゆったりとした帰陣。
試合終盤にガス欠を迎えるスタミナ。
昨シーズン終盤には一列前での起用もありましたが、SBとしてはやはり守備に不安があり、左ワイドとしては攻撃の引き出しが少ないので、何とも使いずらい選手のように感じますし放出説が根強いのも頷けます。

ただ、仮にジュルーがガナーズから旅立ってしまうと、目を離せない意外性で私を楽しませてくれるのがサントス一人になってしまうので、もう少しロンドンに留まっていてもらいたいです。
10節・スタンフォードブリッジでチェフのニアをぶち抜いて度肝を抜かしたようなプレイを見てしまうと悩ましいですね。

アーセナルのポジション別レビュー&プレビュー。
第3回はセンターバックです。

昨シーズンの先発試合出場数を振り返ると…
メルテザッカー【プレミア:21/CL:5】
ヴェルマーレン【プレミア:19/CL:7】
コシエルニー【プレミア:31/CL:5】
ジュルー【プレミア:4/CL:1】
ソング【プレミア:1/CL:1】
スキラチ【プレミア:0/CL:1】


 

ヴェルマーレン、コシエルニー、メルテザッカー。
タイプの異なる3人の体制が維持できれば大きな困難は無いように思えます。

15年まで契約を延長したヴェルマーレンには、いよいよ現実味を帯びてきたファンペルシの後継としてキャプテンとしての重責をお願いしたいものです。
加入1年目を思い出させてくれるような果敢な攻め上がりで、プレミアではアルテタと並ぶチーム3位タイの6ゴール。
自陣から80m以上疾走して勝ち越しゴールをねじ込んだ28節・ニューカッスル戦のように、チームが苦しいときの勝負強さは本当に頼もしいです。
どうか長欠せずに攻守に活躍してほしいものです。


 

ガナーズ3シーズン目を迎えるコシエルニーは1ランク上の選手になった印象で、メルテザッカーとのレギュラー争いも分があるように映ります。
1試合とはいえEUROで先発フル出場を果たしたフランス代表でも、メクセスは30歳の大台に乗ったし、ラミやサコといった面々に引けを取っていないので、レ・ブルーの守備の要としてW杯のピッチに立つのも絵空事ではなくなってきました。
14年までの契約を早く延長して要らぬ不安を解消してもらいたいです。


 

メルテザッカーには厳しい評価が多いですね。
動きの重さが散々叩かれまくってはいますが、個人的には自身のスピードの不足を理解しているポジショニングやカバーリングなんかに頭の良さを感じます。
相方が機動力に優れたヴェルマーレンやコシエルニーというメルテザッカーにとっての好材料もあります。
とはいえ、ポジショニングや次のプレイの予測だけではどうしても補いきれない危険なシチュエーションが90分の中にはあるだろうから、スピードに乗ったアタッカーとの1対1のシーンでヒヤヒヤしてしまうのは間違いないんですけどね。

むしろ気になるのは、セットプレイでの存在感の薄さ。
頭でクリアすのは問題なくても、空中戦から相手ゴールに押し込むのは得意ではないんでしょうか。
8年間在籍したブンデスリーガでは26得点しているものの、70キャップ以上を刻んでいるドイツ代表での得点は1つだけ。
あまり期待しすぎずに、温かく応援していきたいと思います。

去就が不透明なジュルーが新天地を求めた際の穴は、ソングを回して中盤の守備力を下げるよりもミケルの抜擢で補てんするのはいかかでしょうか。
当たりの強さなど不安な点はあるものの、テクニックがある左足のCBは個人的にそそりますし是非一人前に育っていってほしいです。
スキラチは…どうするんでしょうかね。