今日は先日参加した仏教行事「お施餓鬼(おせがき)」についてお話ししたいと思います。私は無宗教の立場ですが、田舎の長男の嫁でもあるので、お墓を守ることもやらねばなりません。ご先祖様とのつながりは息子たちにも伝えたいことなので大切にしています。
私たちは、魂と肉体のハイブリット。ご先祖様のDNAのおかげで肉体を持ち存在することができています。そう考えるとご先祖に感謝しなければと思いませんか。
お施餓鬼とは
私の家は禅宗の曹洞宗に属しており、毎年6月頃にお寺でお施餓鬼があります。この行事では、自分のご先祖様だけでなく、無縁仏や小動物、さらには関係のない命に対しても供養を行います。お釈迦様の逸話にもあるように、無縁の霊に対しても手を合わせ供養することが大切だとされています。私はすべての生きとし生けるものに感謝し、命をいただくことへの感謝を込めて供養させていただいています。本来の仏教の教えとは趣旨がちょっと違うのかもしれませんが。
お施餓鬼は、お釈迦様の弟子が夢で見た六道の餓鬼の話が始まりなのだそうです。
釈迦の弟子のところに餓鬼が飢えに苦しみ、救いを求めて現れます。弟子はお釈迦様にどうすれば餓鬼たちを救えるか尋ねると、お釈迦様は多くの人々と共に祈り供養することで救えると教えました。それでお寺には多くのお坊さんが集まり、檀家の人たちも集まってお経をあげて祈ります。
年に一度でもこのような行事に参加することで、私は心がすっきりと浄化されるような感覚を覚えます。
おもしろいことにお施餓鬼の日は雨になることが多いのです。今年はとてもよく晴れていましたが、私は雨が降ることは悪いことではなく、神仏様が降らせてくれる浄化の雨なのかもしれないと思ったりいたします。これも思い換えですね。
先日は天気が良く、蝶々や蜂、鳥などの小動物が多く見られました。小動物も供養するという意識があるため、自然と小動物に目が向きます。自然の山の中にあるお寺なので小さな命にも触れ合える1日でした。
日本人のアニミズム信仰
日本人は神道、仏教、その他の信仰を自然に取り入れながら生活しています。生まれた時は神社でお宮参りをし、亡くなる時は仏様に手を合わせる。また、正月には神社に参拝し、クリスマスを祝い、年末には除夜の鐘をつきます。このように、さまざまな宗教観が文化として根付いているのが日本の特徴です。すべての命に感謝し、日々の生活に自然に取り入れている「いただきます」や「ごちそうさま」、そして「ありがとうございます」という言葉。これらは自然信仰やアミニズムの精神が豊かな日本文化の一部なのではないでしょうか。
時には、無意識に行っているこれらの行動を意識してみることで、新たな気づきが得られるかもしれません。皆さんもぜひ、自分の行動や習慣を振り返り、命の大切さや感謝の気持ちを再認識してみてください。
アニミズム信仰とは
アニミズム(animism)とは、人間以外の生物を含む、木や石など、すべての物のなかに魂が宿っているという思想や信仰のこと。ラテン語で霊魂を意味する「アニマ(anima)」からつくられた用語で、世界各地のさまざまな民族の宗教や風習に見られる。
このアニミズムは、実際にアニミズムを信仰する人々が使用する用語ではなく、人類学研究において構築された概念である。