猿達が手を重ねる

石塔に向けて

萎れた花 奇麗だ

雨垂れが窓を塗り潰す

あちらでも 悲鳴にも似た

母の笑い声

来る 来る 浮かぶ魚

いつのまにか照らす夕陽 動かないわたしを

咲く裂く射した

剥き出しの手が悴む

土を掘って泥を掘って

夜が寄り添い気持ち良く痛む

ようやく掘り当てたあなたの心臓

鼓動を重ねた 月が睨んでる

遠く 遠く ついて来る脚

絹切れの囁き 抱き締める

隠した顔を見せて 鬼のように美しい

あちこちの屍が 手を鳴らす

だらだらと 頭を垂れる猿

何度も振り返る 見るなと言うのに

あなたの影と結ばれたい

藪から手が

首に手が