人生というものは何なのだろう、答えがわからないのに、

時に痛切に自問する。そう考えさせられるときが来る。

 

誰かを愛して、何かを好きになって、この舞台から退場していった人を想い涙して。

なぜ自我があり、何のために生きているのか。

人と人が今を生きていること。

人が人を殺めること。

この世はすべて自分が視ている夢なのではないか。

この世はすべて夢、夜に夢見る世界こそ本当の世界と乱歩は言っていた。

 

そうかもしれない、そうであって欲しいと想った。

どんな気分であろうと、夜が来て、朝が来る。

昨日の続きを明日も繰り返し、どこへ向かうのか、誰も知らない。

信じがたい現実というものは不意にやってきて、それでも仕事をしなくてはならない。

腹も減る。ふざけた理だと思う。

どうして人は誰も、産まれてくる前と死んだ後のことがわからないのか。

 

なのにどうして生きているのか。

いい加減にしてほしい。

幸福と落胆の天秤。

あなたもこの世はすべて夢、幻と。

あがいて、もがいて、笑って、泣いて、何のために。

どれだけ心を震わせても、最期は何でも無くなるのに。

 

この世界の設定を作ったのは自分だと思うことがある。

そう思い込むことで少し楽になれる。

自分以外のすべての生命はそこにある設定で、自分が死ねば世界も終わり。

また新しい世界を作るための準備をして、空想し夢見る。

ここは失敗だったな、こうしておくといいかもね。

そうやって何度も理想を造って、遊んで。

友達や愛する存在を造り上げて。

そう思えば最低な世界を少し愛せる。

 

だけどそんなに悪くないこともあるんだよ。

眠りに落ちて行けば、期待に胸を躍らせて、心地好い夢の世界へ。

本当の世界へ、独りで旅立てる。

そう想わせてほしい。

おやすみなさい、あなたは独りじゃないのよ。