天の鳴る方へ
ポンポコリーナお腹を鳴らして
兵隊さんは往くッ
ザメツ ザメツ
約束の白い花束を
そおっと置いた
ピーヒャルヒャーノ喉を鳴らして
果物屋さんが現れる
ドキュウ ドキュウ
紐を引くと床が割れて
すっと消えてった
夢色が回る庭園
ねじれた大人みたいな香りがいっぱいあって
風船に乗ってずっと高くまで上がった
思いっきり笑ったら
みんな落ちてつぶれるんだ
ドッピンパンプシャー雨を降らせて
空のすごい怒り方だ
ビガン ビガン
両手をそろえて言う
残念ですが
拍手して もっともっと
大きな声で 喜びの歌をうたおう
ららら 絶望に満ちた希望の歌
がくがくぶるぶる ひとり抜け
僕も私も
やーめっぴ。
宿題
両手を合わせてお願いします
紙とペンを用意して
一足先に宵待つ兎を可愛がります
小さなお部屋が汚れていたら
目を閉じるまで優しく拭きます
あなたはアンギル
世界の一番真ん中で踊りをひらひら踊るんだ
誰も見ちゃいない
見てはいけないんだ
切られて切られて千切られるまで
泣いたり笑ったりするんだ
カゴから出して餌を運びます
綺麗なお歌を奏でます
つま先だって背伸びをした
両目をつむって
階段を一つずつ踏みしめていました
繰り返して書いた名前を
繰り返して消してゆく
少しも思い出せない
昨日歩いた廊下
ついつい捨ててしまって
鉢植えから取り出した指切り寂しいな
１人わたってみる横断歩道
くらくらする世界
絵にも写真にも残らない高いところ
目隠しをされて飛んでいく
忘れ物があったなぁ
欠片 羽 宿題 取り外した香り
帰りの会
先生がほめてくれた
僕のおでこやかみの生えぎわをなめてくれた
胸の大きな先生だ
左目からは血が流れている
ナイフをよくみがいておかなかったせいだ
こうして 教室には誰も入って来ない
下校の時間がすぎてるからだ
皆はお母さんと手をつないで帰ってしまった
夕食はカレーが出るな
まだ残ってた
鉛筆なら確かめておいたから大丈夫だ
開くまでたいしてかからないだろう
そのお腹の中には何がいるの？
逆立ちは良い形らしい
くんせいならもっと良い
夕飯までに帰らないとお母さんにしかられる
家に入れてもらえないかもしれない
でもよその子はむかえに来てくれたのに
このまま教室に先生と二人ぼっちなら
カレーはくさって家中がすっぱくなるだろう
入れてよ
その中に入れてよ
キィキィとあれはブランコが今もゆれている音
なんてあたたかいところだ
フタをしてかき混ぜて百まで数えたら
先生は白い顔になる
もう玄関のチェーンが下ろされている時間だ
下ろされている時間だ
下されてる
あ どうして
皆 何をのぞいている
見るんじゃない
お前らは手をつないでただろうが
やめろ
こっちに来るな
グラウンド
タイムカプセルを埋める
マシンガンを埋める
妹の亡骸を埋める
着古した服を埋める
忘れていた記憶を埋めて
紫陽花の咲く頃に
テラリウムを埋める
おたまじゃくしを埋める
ゆりかごを埋める
家族の写真を埋める
ささやかな望みを埋めて
向日葵の垂れる頃に
夢の生え育つ庭 どしん どしん
大きな足が 僕たちを踏みつけていった
あとからもっと大きな象が
四角い塔 四角い空
嗅いだことの無い空気
オルゴールの世界
出られない この広い悲しみから
ずっと僕たちは 走ってる
爆弾の埋めてある この世界から
昼休み
チッチチッチ、ねこがよんできた
ともだちあるいてはしってこっちへきた
ぼくはこうえんまでいってともだちと
ブランコで
おはようございます、ギギ、ドアがいった
せんせがきた
またきみはちこくをして、ちこくをしたのきみは
ぼくはかなしくて、せんせをもうみなくなった
プールで
せんせがこないので、ちがうせんせが、じぎょうがする
みたこのないきもちのわるものをだして
へんなことする、みんなでへんなことをした
こうていのすみっこで、ともだちがはれつした
ぼくがやってみた
おひるのじかん
みんながめをとじて、きゅうしょくをたべない
ぼくはすきなおにくがでてたので
ともだちがたべないおにくをたべた
ともだちのぶんのおにくをたべた
ともだちのおにくをたべた
おひるやすみ
こうていにでたときがたのし
きょうしつでもどるに
つぎのじぎょの
おかあさ
御馳走様です
学芸会に於いて
朝の会
黄色い雨傘
御目出度う
初めて歩けたね
一人で何でも出来た
御目出度う
黄色の傘を買ってあげるよ
長靴とお揃いの
水溜まりもへいちゃらさ
ぐるぅり一周して帰ってきたら
ママがカレーを腐らせて
宙を舞ってる