バリ島観光中、火葬儀礼の行列に出くわしたら、ガムランに耳を傾けよう。
火葬の際にだけ奏じられる小編成のガムランアンクルン。
バリ島の観光芸能用のガムラン“ゴン・クビャール”とはまったく違う、明るく澄んだ、透明感のある旋律。
バリ人はアンクルンを「哀しみの旋律」「霊界につながる音」と表現する。
死者との別れに伴う哀惜の情を浄化し、やがてやってくる自らの死を受け入れるために、アンクルンの音色は逆説的に明るく、軽やか。死者の魂はこの音色に添われ、天空へ昇っていく。
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