私のお父さん
私が小さかった頃は
うるさい
歯は磨いたか
早く寝ろ
たーけー
（これ、名古屋弁のたわけ
標準語ではあんぽんたんって感じかな？）
が口癖だったお父さん
水曜休みで火曜は残業の日
普段そんなに話してなくても
火曜はお父さんが遅いってだけで、
なんかそわそわして
落ち着かなかったな
がに股歩きで
いつも眉間にシワがよっている
強面なお父さん
ビールが大好きで
毎晩黒ラベルのビールを
２本飲んでたお父さん
長い休みの時は
必ず旅行に連れて行ってくれた
お父さん
夏休みの旅行は
いつも山登りしてたね
途中で食べる冷たい水で冷やしてある
リンゴが美味しかったな
キャンプファイヤーでの
ゲームも盛り上がったな
口数が少なくてシャイなお父さん
小学５年の時
私の誕生日に
今日は何の日だ？って
おめでとうが言ってほしくて
聞いたのに、
わかったわって言うだけで
おめでとうを言ってくれなかった
お父さん
私、泣いて怒ったことあったね
中学にはいって
反応が面白かったから、
一緒にお風呂入ろうって誘って
遊んでたこともあったな
私が中学２年の時
お姉ちゃんができると思って
と言われて、
私と6歳違いのとっても若い
お嫁さんをもらったお父さん
東京、軽井沢と
1週間新しいお母さんと
初旅行にいったね
弟が唯一やりたいと言ったパターゴルフを
やりたくないからという理由で
一緒に参加しなかった
義母に不信感覚えたな
中学３年の時
塾の帰りによく夜食食べに
連れて行ってくれたお父さん
屋台のラーメンも美味しかったな
うどん屋さんもよく行ったね
まっ、お父さんの愚痴聞くことも
多かったけどね
私が勉強に躓いて
泣いていた時
（私、ちょー真面目人間だったので）
ボールペン回す技を教えてくれて
気分転換してくれたこと
お父さんなりの精一杯の応援だって
わかってたから、今でもよく覚えてるよ
高校に入ってから
義母と私の間に挟まれて大変だった
お父さん
お父さんの気持ちは
嫌ってほど聞いてたから
ほんと、しょうがないなって
思ってたわ
高校の時
私の家庭は複雑だから、
幸せになっちゃいけない人間だと思ってる
って勢い余っていった時
悲しそうな顔をしたお父さん
今でもよく覚えてます
弟が生まれ
私の部屋にハイハイして入ってくる弟が
義母に怒られるようになっちゃって
弟が可愛そうで家をでて
それからお父さんとは
一緒に暮らすことなかったね
私の結婚式の時
あまりにも号泣していたから
隣にいたおばあちゃんが
私が泣けなかったわって言ってたよ
私が乳がんで入院した時も
私のことは大丈夫だから
子供たちと遊んであげてねって言ったら
ほんとに一度もお見舞いにこなかった
お父さん
おばあちゃんのことでは
あまりにも意見が違って
何度も何度も話あったね
正直、
おばあちゃんのことでは
がっかりしたことが多すぎてさ
ほんとに最低だと
何度も思ったさ
不器用なことは
わかってるけど
もう少し伝え方があったでしょって
今でも思ってる
お葬式の時まで
不器用だったね
でも、お父さんの涙が
全てだったんだろうね
私もお父さんには
おちゃらけて話することが多いし
なかなか素直に感謝の気持ち
言えないけど
どんなことがあっても
最後にはしょうがないなって
思っちゃう
やっぱり私のお父さんなんだよね
結局、どんなことがあってもさ
好きだってことなんだよね
よっ、たかじーさんよ
まだまだ義母に
気を遣っていらっしゃいますが
私の子供たちには
怖がられてるけど
たまにはうちにも遊びに来ては
いかがでしょか？
私は幸せに暮らしていますよ〜
伝筆認定講師 坂口英里
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