随分前に柳川の古着屋さんで着物を見ているときのことです。
豪華な柄の古着を手にした私はなぜか
その着物が悲しくて購入しませんでした。
「きっと富豪の娘さんが着てあったのでしょうね。
そう思うとなんだか悲しい着物に感じます。」
と言いました。
すると店員さんが
「私はお金持ちの家に生まれた娘さんが
着ていたものだと、羨ましく思います」
そんな考え方もあるものだと、
世間の狭い自分を恥ずかしく思ったりしたものです。
大正時代から昭和の初期に織られた袋帯です。
手織りですからその良さは手に取ると解ります。
写真の帯は今の着物に、締めてもとても素敵です。



