馬作りは私の鈍い脳で一年かかりました。
馬がうまく出来なくて 丸一年かかりました。
手先が器用だとか言いますが、私は手でなく脳が作ると思います。

私の頭の中に馬の姿をコピーするのに一年もかかりました。
この馬は一日ほどで形になりました。
前回の馬の三分の一の大きさです。

石膏を流し込んで型半分を型取りします。

石膏から水分が出ますので、大きめのナイロンを敷きます。

最初は半分、次には馬の部分に油成分をぬり、その上から石膏を
流します。果物のモモを連想してください。
石膏で馬を丸包み込む状態です。
桃太郎がももから飛び出すように馬が中にいます。
丸一日おいて型からはずします。

この時の石膏の重さは約10kあります。

型ぬきしたこの中に水糊を使い和紙を重ねて貼って行きます。

型から抜いた和紙の馬。この型を合わせて一頭の馬ができます。
最近対馬は雨が多くて和紙が乾きません。
まだ湿っている和紙をせっかちな私が型からはずしました。

人形の体も同じことです。

凹部分に和紙を張って型をぬくとこの状態です。

回りのいらない部分を切ります。

背と腹を合わせて体が完成です。
和紙は型が乾かないうちに動かすと型崩れします。
せっかちな私は乾くまで待てないのですが。
人間修行中と思い待ちます。笑。それでも待てない時があります。
完全に型の中で和紙が乾燥すのを待っていたら 私が100歳まで
生きないと完成しません。
この状態からまだ何枚も和紙を張り、なるべくきれいな裸体を仕上げます。
石膏の型からはがした和紙の馬形をみた時は、そうですね。。。
逢いたい人に会えたような感動があり、たぶん私の顔は最高です。笑。
それは物つくりをする人にしか、分からない感動の瞬間です。