対馬の黄金鬼百合
80歳になったら遊ぼうね。
と約束している、私がお姉さんと呼ぶ友達がいます。
そのお姉さんが、タブレットを抱えて
「もう私は、恋しくて、会いたくて恋に落ちてしもうたね。
あなたなら、どうかしてくれると思って来たんだがね」
「どうされたのですか?人の恋を私がどうするのですか?」
あれ私が恋のキューピット。
「見てよ。もうたまらんのよ」

タブレットを開けられました。
(どんな人。まあ写真まで私に見せる気?)と思ったら
黄金鬼百合。
対馬にのみ自生しますが、イノシシの被害で絶滅の状態です。

現物ユリを見せられ、タブレットを開けて説明されますが興奮気味。
「順風さんは知り合いが上の方に多いから、むかご がほしいのよ。」
それから私に説明されます。
黄金鬼百合は二種類あります。
上対馬泉産―花粉の先が紫 (いずみさん)
上県女連産―花粉の先が赤 (うなつらさん)
(私が花粉を嫌うので、気配りされてユリは花粉をのけてあります。)
このユリは上県女連産です。
「お姉さんの恋の相手は、黄金鬼百合ですか
大げさ。相手がユリの花とは
誰に恋されたのか、、、少しは興味があったのに
知り会いにどうにか手配が出来ました。
お姉さんは花好き、その中でもユリが大好きです。

ユリは球根からも繁殖しますが、茎の黒の粒が むかご と呼ばれ
これが土に落ちて芽が出ます。

私が住んでいる中対馬ではこのユリが多いです。
私がユリの花粉を嫌うのは、この花をたくさんつんで持ち帰りましたら、
母からひどく叱られました。
子供心に母が喜ぶと思ったのに、かえって叱られたのが悲しかった。
母の手製の花柄の新しい服に花粉がたくさんついて、台無しでした。
ユリの花粉は着物に着いたら落ちません。
お姉さんはゆり大好きだけど、私は苦い思い出の花です。