あのころの風景
55年前私はこの海辺を左手に見ながら、隣の中学校に通学しました。
歩いて一時間、そのころ3段ギヤー付きの自転車を父が与えてくれました
[海に落ちるなよ」と注意するほど細い道でした。

風を切ってペタルを踏めば、どこからか音楽が聞こえてきそうな気分になる。
風が少し強くなれは、波が音を立て始め音楽が聞こえてきそうな気分になる。
そんな夢多き、想像大好き、勉強も大好き、音楽は好きだったけど音痴。

対馬の群青の青い海、透き通る青い空、燃える緑の山。
音痴が鼻歌を歌い、紺色の折りスカートが風でまくり上がっても、
恥ずかしくもない12歳。

道沿いであう男の人が,「おお~。風がつよいの~。」と
めくれるスカートを見て笑うけれど、「おはようございま~す。」
恥ずかしい様子も出さず手をあげる。

すれ違った後に自転車を止めて、まくれたスカートをなおす。
その時は、私の顔は恥ずかしくて少し赤い。
おばちゃんが、「どうしたとね」と自転車を止めた私に心配そうに聞く。
「ちょっと、海を見ただけ。」
「ちょっと、山を見ただけ。」
「ちょっと、空を見ただけ。」
海と山と空の色を見て涙が出そう。自然の神秘色に感動して。
そんな12歳。。自分が年を取ることを、想像したこともなかった。

先日のシャクヤク。花弁を広げるとなるほど、さすがシャクヤク。

左下の白い花が、先日のシャクヤクです。