快晴、ゴルナーグラード 2019.8.23~9.6ドイツ発すいすいスイス、鉄道の旅 12前編 | 続・五十歳にして発つ

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今般(2019年11月)、ヤフー・ブログ「五十歳にして発つ」で書き綴ったものをアメーバブログに移管しました。しばらくブランクがありましたが、移管を機に、「続・五十歳にして発つ」として再び旅行記等を書きたいと考えます。よろしくお願いします。

 

12日目(201993日 火曜日) 

快晴、ゴルナーグラード前編

ライブカメラで上は快晴だが、ツェルマットには雲が垂れ込んでいる。どういう状況なのか、何はともあれ「善は急げ」だ。駅(国鉄)の隣に位置するゴルナーグラード鉄道のツェルマット駅。8:00に先発列車が行く。切符を買い(スイスパス半額、往復47CHF)、次の8:24発に乗り込む。ほぼ満席だが、早めに順番待ちしていた私たちは、マッターホルンが見えるはずの進行方向右の窓際に座れた。列車は、その右手後方にツェルマット中心部を見下ろしながら、高度を上げる。やがて厚い雲の中に突入する。どのくらいが雲の中だったか、空がすっと青くなり、雲の上に巨大なピラミッドが現れた(写真☝)。「私が主役のマッターホルン(4478m)です。今、まさに旅のハイライトです」と言わんばかりだ。この地点(リッフェルベルク駅手前)、北壁の面積が割りと大きく見える。ここから先、その面積は縮小する。右側の北壁と左側の東壁は、ヘルンリ尾根で仕切られている。尾根の麓にはヒュッテがあり(写真パナ☟拡大するとマッチ箱のようなヒュッテが見える)、そこを拠点に尾根を登るのが安易な登山ルートらしい。

 

列車は更に高度を上げる。雲海が眼下に拡がる様を見て、次のローテンボーデン駅で急遽降りてしまった。しかも車内に帽子を忘れたまま。二度目の忘れ物。すぐに気づくもドアが閉まり、少し間があって列車は動き始める(自動開閉可能)。瞬時の判断ミスが加わり、後の祭り。ワッショイわっしょい、ついでにワッショイ!!!妻が言うには、「ここは池に映る逆さマッターホルンが見られる場所。上まで行って、帰りに下車してトレッキングの予定だった」と。なるほど、詳細を把握していない、私の失敗だ。孫が成人するまで語り継がれそうだ。じぃじはネ

 

駅スタッフらしき人が作業している。帽子を忘れた旨、尋ねる。遺失物はツェルマットに送られるそうだ。下山してからの事としよう。待ち時間、折角の雲海をはじめとして、写真を撮る。3枚をピックアップして山や氷河等を紹介しよう。

 

先ずは独立峰マッターホルンと少し離れたお隣さんのダンブランシュ(4171m)、そして雲海(写真☝)。つづいてツィナルロートホルン(4221m)、ヴァイスホルン(4505m)、ゴルナーグラード鉄道と雲海の一枚(写真☝)。最後に氷河が迫りくる風景。一番左の山はリスカム(4527m)で、下を流れるのがこの地域の主であるゴルナー氷河、中央の小さい白いこぶがカストール(4223m)とボリュックス(4092m)、右の黒い塊がロッチャ・ネーラ(4075m)で下に流れるのがシュヴァルツ氷河だ(写真☟)。さて9:16(24分後)に、次の列車がやってきたので乗り込む。

 

終点ゴルナーグラード駅(3090m)(写真☝)。駅舎の上にはクルムホテル(3100m)があり、更に上に展望台がある。いつか泊まりたい、そう思わせるホテル。22室、二食付きでダブルルームが「一室385CHF~」だそうだ(写真☟)。アスファルトの展望台より少し高い位置にガレ場があり、ここでは実質一番の頂上と言える。日本人夫婦+娘らしき三人組が写真を撮っている。妻同士は、いつもフレンドリーで、すぐに言葉を交わす。そういえば鉄道の中でも別の夫婦の奥

さんと話していた。

 

 

ぐるり360度の大パノラマ。空はどこまでも晴れ渡り、雲一つない。朝焼けがバラ色の山と言われるモンテローザ(4634m)は、モンブラン(4810m)に続くアルプス第2の山である。ただ写真では、モンテローザが右手のリスカムより低く見える。モンテローザの左から流れるのがゴルナー氷河、右から流れるのがグランツ氷河である(写真☝)。二つの氷河の間に岩場があり、その上に建つのがモンテローザ・ヒュッテ(写真☝)。拡大するとメタリックに光っているのがわかる。建物全体が太陽光発電パネルで覆われているためだ(写真☝)

 

モンテローザからずっと左に目を転じよう。ガレ場の小山ホーテリの頂上(3275m)が見える。シュトックホルン(3532m)行きのロープウェイ駅らしい。左に見える魚の背びれはリンプフィッシュホルン(4198m)(写真☝)。さらに左は麓のツェルマット方面であり、ヴァイスホルン等の山並みが見える。ほとんど雲海はなくなりかけている(写真☝)。もっと左は、ホテルと背後のマッターホルンが現れる(写真☟)。続いてマッターホルンの左側、つまりグレッシャー・パラダイスやテオドール氷河等の方角(写真☟)。最後にリスカムの一部からロッチャ・ネーラ(4075m)までの展望台からの風景(写真☟)。以上で360度一周となる。