映画を見るように1日を振り返る
その日一日の出来事は、寝ている間に、脳の中で、整理、分類され、記憶されます。
面白くなかったこと、後味の悪いことばかり考えて寝ると、悪い夢をみてうなされたり、目が覚めてからも、嫌な気分が残って健康によくありません。
どんなことも、すでに終わったこと(過去)なので、手放す選択をして、今(現在)を大切にしましょう。
やり方
目を閉じて、全身をスキャンするつもりで眺め、体の緊張感を呼吸とともにほぐす。
呼吸を数回繰り返し、一日を朝から今まで、映画を見るように眺める。
最善の行動ではなかったと思う箇所、情報が足りなかったためにミスしたこと、過去の不快な体験を思い出して反応した瞬間など、気になるところがあったら、そこでストップ。
どうすれば、最善を尽くせたか。
何が足りなかったか、どんな風に過ごしたかったか、考える。
今日一日をもう一度振り返り、ひっかかったところにきたら、そこでストップ。
持てる力を最大限に発揮している自分ならこうするだろうということをやってみる。
もう一回、一日を朝から振り返り、ベストの自分が頑張っているバージョンを見る。
今日は、いい日だったと思えるまで、この作業を続ける。
最後に、思い切り鼻から息を吸って、しばらく止め、思い切り、吐く息とともに、 ネガティブな気持ちを全部、吐き出す。
効用
終わったことをくよくよ悩まなくなる。
ぐっすり眠れるようになる。
新しい一日を新鮮な気持ちでスタートできる。
ベストな自分でいられる日が増えていく。
ポイント
たとえば、一日を振り返っている時、午後、行われた会議で、目上も目下も関係なく、全員が活発に意見を言い合う場でたじろぎ、不快感を感じたとします。
まず、「S.T.O.Pメソッド」を使って、深呼吸。
「ABCD コーピングメソッド」で、目下の癖に生意気だと思う自分に気づきます。
なぜ、そう思うようになったのか、「感情に名前をつける」を使って考えてみると、自分が、目上に逆らってはいけないという環境で育ったため、目上に逆らうのは間違いだという価値観を持っていることに気づきます。
さらに、「レポーターになる」で、目下と対峙している自分にインタビューしてみます。
すると、対等に意見をいう場に違和感を感じた自分がいる一方で、建設的なアイディアがどんどんでてくることに新鮮な興奮を覚えている目下の気持ちも理解できるようになります。
では、「今の自分はどうしたいのか」、自分自身に問いかけると、実は、自分も、大勢の前で、目上に向かって反対意見をいってみたいということがわかります。
そこで、もう一回、一日を朝から振り返り、毅然とした態度で、目上に自分の意見を堂々と述べている自分の目の輝き、姿勢、口調を生き生きと思い浮かべ、じっくり味わいます。
味わいながら、また、深呼吸。体は、頭で思うことに反応するので、ベストの自分の活躍を頭の中で思い描くと、気分が高揚し、体の緊張もほぐれます。過去に囚われない選択は、自由をもたらします。
達成感とともに、清々しい気持ちで眠りにつけるので、熟睡でき、翌日からの行動が、自ずと、前向きになっていきます。
この方法は、一日を振り返るだけでなく、遡って、自分の心の傷になっていることや失敗体験、判断ミスなどを浄化するのにも役立ちます。