5年ほど前、その親子は「テコンドー」という競技と出会う。
日本ではマイナーだけど、韓国発祥のスポーツで、オリンピック種目でもある。
足で相手を蹴る「空手」みたいな感じだろうか。
「人を蹴って褒められるなんて」と、
“ヒーローごっこ遊び”が好きだった子どもは大層喜んだ。
単純だ。
ただ、いかんせん親に似て、練習はすばらしいのだが、本番になるとビビってしまい、
試合になるとダメダメ。
「結果よりもプロセスが大切」とは言ってみたものの、
応援に行くと、やはり「結果」が欲しいのは当然。
加えて、結果が出なくても、練習日以外の自主練習をほとんどせず、
マンガを読みふけっている子どもを見て、勝手に腹をたてていた。
途中から父親は、ストレスが溜まるだけなので、試合に行かなくなった。
そんなボクが、ホント久しぶりに、試合を観戦に大阪・門真へ行った。
ボクから言わせれば不満が溜まる試合内容だったが、息子は結果を出した。
まぁ、本人が楽しくやって、中途半端だけど結果もでて、と思えば、
それはそれで良いのかな、と思った。
彼は彼なりに頑張っていたのだから。
あくまでも「彼なりに」だけど。
そして思った。
また明日から、ボクはボクなりに頑張っていこう、と。