一ツ瀬シーバス2015「丑三つ黒鯛45」127日目

「面」・・・表情が変わらぬはずだが、いつ見ても表情が違うように映る。
能の舞では、顔をやや上に向け「テラス」と、笑っているようにも見え、やや伏せ「クモラス」と、泣いているようにも見える・・・と言われる。
深い「能」の世界に、この二つの表情があるのは、私には判らないが、動かぬ物こそ「自分の心を表す鏡」の存在ではなかろうか？？

人に会い、その人の表情に触れ、その中に自己を見る事は少ない。
そして、それは「飽きる」行為に思える。
雲の流れ・形、たき火の炎、寄せ返す波、水の流れ、一時として同じ表情のない自然の中は、飽きる事がない。

自然の造形は、自己を映し出すものではないが、違う感覚で包まれる。
やもすれば牙を剥く自然に、どう懐に包まれるかを知る術を、少し身にまとえ始めたと思っている。
人工造形の中は、変化しない安堵も存在するが、耐え難い事にも思える。

・・・何言ってるんだか？寝ぼけているだけだ！！

０時を回る頃、ママが風呂から上がり、寝ている私を起こしてくれた。
スッと起きれるのは、気持ちがある・・・川へ行き、ロッドを振る気持ちが強くあるからだ。
２日前の降雨で、川の流れは強くなっていた。
３時過ぎの干潮までのゲームを考えていた。
もう、冷たい風が吹き、レインウェアの上着を着ないと寒い。
流速は早く、その場所でプラグを使うには、自分の好きな感覚ではなく、ボトムに集中してみた。

半月が、明るく川面を照らし、刻々と変化する流れを映していた。

長男が、高校の頃、いつもの我が家恒例「誕生会の話・抱負」で、
「ボクは、うちみたいな家庭を築けたらイイと思います。」
と、話した事を思い出していた。
　
バイブレーションに交換する。
　
大学受験を控えた長男が、直面している「大学」の事でなく、家庭の事を考えているのが面白かった。
そして、後期で「筑波大学」へ合格する訳だが、大学生活も面白い。
　
バイブの重さを代え、この流速でボトムをどうトレースするのか、変化を確かめいてる。
　
大学では、高校で言う生徒会みたいな活動に属し、園芸クラブに属していた。
「秩父」を愛し通い、沢山の地元の方達と親交を作り上げて行った。
歩く旅にこだわり、単独旅も展開してきた。

金属バイブの方が、フォールスピードが速く、この流速に合っているのでは？と、数種試す。
　
大学４年を迎える。
３年前期の頃、しばし所属の活動に熱が入り、授業に行かなくなり落とした単位を補うのに忙しくなる。
大学院への進学には興味ない様子、かと言って就活も迷走していた。
研究室の卒論研究には没頭したいみたいで、この頃、ようやく単位も足りて残すは「卒論」という状況になっている。
迷走する「就活」について少し話をしてみると、
「ボクは、どんな就職・仕事をしたいか？ではなくて、どんな人間になりたいか！を考えている。」
と、聞く。

ひよっ子の生意気な意見と片付けてしまえば、それまでだが、私は痛く響いた。
彼の能力や、親の期待や、欲や、価値や、経済や、体裁や・・・どんだけのものだろうか？
彼の言う様な人に育つ様に願い、子育てをしてきて、本当に素直にそうなった来た彼を、つまらぬ判断の中に引きずり込むのはイケナイと思った。
「就活は、卒業さえすれば来年でもいいんじゃないか？卒論に没頭し、まだまだ素敵な旅もして、１年ぐらい父さんが面倒見てやるよ！！」

もっとナチュラルにフォール？濁りに赤金？ボトムを感じながら小さくリフトさせていると、金属的なバイトを拾う。
モンキー６９・赤金、しかもバーブレスフック。
ネットインまでに、何度かドラグを出すファイトも見せてくれた。　

　　　　　ロッド 　APIA Foojin'Z Night Hawk 95ML

　　　　　リール 　ダイワ　12EXIST(イグジスト)3012H

　　　　　ライン 　DUEL HARDCORER X8 PE1.2

　　　　　リーダー　DUEL HARDCORER POWERLEADER フロロカーボン　25lb

　　　　　ルアー　alter-native　モンキー６９/ゴールドパーサー　バーブレスフック

一ツ瀬シーバス