いい加減な仕掛けは、アングラーのエゴでしかない・・・。
何を目標にしようか?で、ロッドやリールやラインやを選んできたつもりだ。
 
上げ潮になり始めて1時間。
河川からの流れと、上げ潮で、くっきりと潮目が入り、月の光に見えていた。
対岸の河川の流れに、komomo125Fキャンディカラーをキャストした。
リトリーブすると、潮目付近で強い抵抗が入り、しばらくでスッとぬける。
反転流を通るのが判った。
何か起りそうな、気がした。

数投目、根がかり?ガツンとラインが動かなくなったが、そんなに潜るルアーではない。
強く巻き戻そうとした瞬間、ラインは滑る様に出て行き始めた。
ロッドは、弧を描き、今までにない強い力に、「焦り」というものに体中を支配される。
スプールを見ると、100mほど出ているのが確認できた。
「何だろう?」
少し、ドラグを締め巻き始める。
シーバスではない引きだ。
50mほど巻き取ると、また強く反転し始める。
さらにドラグを締める。
巻く。
出る。
・・・

もう少し、魚を弱らせる事を考えれば良かった。

突然、重さが消えた。

根ズレ?ショックリーダーが、ガサガサになっていたが切れた付近はなんともない。
ルアーを魚にフッキングさせたまま・・・の、ラインブレイクは落ち込む。
上手に取ってあげる事が、魚を殺さない方法の一つだ!
自然に楽しませてもらう・・・のは、何かそこに「自分なりのルール」もある。
釣り上げ、写真を撮り、リリースしてあげる瞬間の、その「充実感」「達成感」は、至福の時だ!
再生不能なら、感謝し、その命を食してあげたい。

興奮と、震える体。
しばらく座り込んだまま、波の音を聞いた。
月は煌々と海面を照らし、また、何もない静寂に包まれた。
「何だろう?」
判らないが、その魚はルアーを喰わえたまま息絶えるのだろう・・・。
後ろめたい気持ちを、夜の闇が重く包んだ。

せめて・・・と、もっと丈夫なショックリーダーに変えた。
その後、河川で、今まで見た事の無いボイルを見る事になった。
興奮して、手当たり次第にキャストするが、まったくバイトして来ない。
しかし、素敵な夜だった。

明け方4時、道具を仕舞う。
 
次につなげる為に、私は何かしなくてはならない。