朝、「起きなさい!お墓行くよ!!」と、ママの声。
なかなか起きて来ない長女と次男。
朝食を食べ、出社の準備をして、皆で墓地に行く。
今日は七夕だ!お墓参りだ!!
親父の命日が七夕の日、満天の星空に包まれ、旅立った。
30年前の事だ。
私は、親父が大好きだった。
一緒に遊びたくて、いつも親父の姿を追いかけたものだ。
よく遊んでくれたと思っている。

僕とパパ・・・こどもの国にて
親父は、仕事をサボってパチンコ屋に居たりした。
僕は、親父の背中を見つけるのが得意だった。
床に転げるパチンコ玉を拾っては、オヤジの隣に座ってパチンと玉をはじく・・・
まくれで入って、ジャラと玉が出ると、親父が取り上げる。
斜めに見上げて、ニヤと笑うと、親父は照れくさそうに煙を吐いた。
母に何度、「歯の治療代をくれ!」と言ったことだろう・・・。
丸い銀の玉は、歯には入らないのに、下手な口実だとボクでも判った。
時に、パチンコをしなくなったと思ったら、私を連れボーリングへと行く。
父の初ボーリングは、私と30ゲームもやりぬいた突拍子もない始まりで、
その後、大銭はたいて、ボーリング三昧の日々・・・。
273点という記録を見たことがある。
私にまで、ボールと靴を買い与え、私も中学生で200点を何度か越えた。
ふと、釣りに転向したと思ったら、毎夜の港通い。
私も何度も同行して、そりゃ楽しい夜を親父と過ごした。
高校3年の受験の頃、徹夜でスズキ釣りに誘われた事がある。
眠くて車で寝た私に、「釣らんとか?」と怒った。
破天荒な親父が、ボクはたまらなく好きだった。
ママが、墓前に花を生けた。
長女が、墓石を磨いた。
次男が、落ち葉や雑草を集めた。
51歳で旅立ち、もう30年経ったんだね!
18年前に旅立ったお袋と、居心地良くいるかい?
「主の祈り」を唱えた。