「挑む」様に挑戦した彼の受験は、国立前期に失敗した。
模試で、いつも「A・B判定」を出していた。
いわば、合格圏内のはずだった。
 
私の携帯に、彼から「不合格」とだけ書かれたメールが届く。

数時間後、「予備校からの入学書類が届いた!」と、メールが届く。
  
帰宅した私に、
「まだ後期試験がある!」
と、弱い笑顔で言った。
「で、どうだ?どうして落ちた?悔しいな!」
と、聞く私に
「悔しいと言うか、この不合格は、屈辱的やわ!」
と、小声で言った。
「現実は、受け止めないと仕方ないな!足りなかったな・・・努力が・・・。」

親らしく言ったつもりだが、彼がドアを閉めた頃
「お父さんとしては、悔しくて仕方ない。あいつの努力が報われなかったんだからな!」
と、他の家族に怒りを込めて吐き捨てた。
 
中学・高校、いつも期待以上の成績を維持してきた。
いつも、前と上を目指してきた。
妥協する事の無い挑戦だったはずだ!
国立後期・・・、落ちれば浪人だ。
また1年・・・辛いだろうなぁ~。
「浪人するなら、今年より更に上だぞ!」
涙を飲み込みながら、気合を入れようとする私は、鼻水が滴りそうになった。

・・・たかが、1年だ!お前ならやれる!・・・言えずにいた。
 
明日、後期受験へと向かう。