「釣りキチ三平」
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3本継ぎの竹竿は、近くの駄菓子屋さんで買った。
自分で仕掛けを結べたのは、小学2年の春だったと思う。
味噌とメリケン粉と酒を練り、すぐ側の川でハエンボ(オイカワ)を釣った。
時折喰いついて来るイダ(ハヤ)に、仕掛けを切られては切ない気分になったもんである。
川で釣り、河口で釣り、海で釣り、そして渓流で釣っている。
ミミズで釣り、練り餌で釣り、サシで釣り、オキアミで釣り、フライで釣り、ルアーで釣り・・・
奥は深く、私がのめり込むにはもって来いの遊び。
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友達と釣り、一人で釣り、親父と釣った。
肩を並べ、竿を握る。
2人の腕の先、竿の先には何があったのだろう。
26年前に逝った親父とは、もう肩を並べる事は出来ないが、竿を握るたびに何か暖かい空間がそこには出来る気がする。
映画「釣りキチ三平」を見た。
やはり、釣りには単純な何かがあり、胸の底に染み入って来る。