先週、実力テストが終わった次女が呟いた。
「私には、向いていないんだと思う・・・。」
そう言った後、寝るまで口を開こうとはしなかった。
子供達がもっと幼い頃、私は心を開こうと、しつこく話し、聞いた。
しかし、すでに彼女の自立心は想像以上に育ち、勉強も、学校のことも、自宅でのことも、親として文句などない。
彼女は、私の娘なのに「いわゆる努力家」である。
彼女の発した言葉には、おそらくテストの結果が原因であると感じた。
でも、彼女の成績は、親の期待以上であり、すべて彼女の努力によるものである。

彼女のライバルに、「いわゆる天才肌」の男子がいる。
勉強していない素振りと、優柔不断な態度、宿題の未提出・・・なのに良い成績なのである。
翌朝、駅に送る車の中で、
「あれだけ勉強したのに、私としては今までで一番勉強したのに・・・。やっぱ、私には勉強が向いていないんだわ!」
と、私に漏らした。
私には、彼女に更なる努力を強いる言葉より、褒める言葉しか見当たらない。
でも、それでは彼女の期待する親の言葉では無いのかも知れない。
「結果は、今出るものでは無いし、受験や通った大学が結果でもないとお父さんは思うけどなぁ・・・。今の努力が報われるって、それはいつなんだか判らない。お父さんは努力していないから、未だに達成感も無いなぁ~。」
そんな、つまらない事しか話してあげれなかった。
彼女が掴もうとしているものは、彼女が決めればいいと思った。

ラジオから、「いわゆる勝ち組・・・。」と、言葉が聞こえて来た。
自分はどう見ても経済的には『負け組』の部類なのだろう・・・。
あくせく短い尻尾フリフリの毎日を過ごし、将来への蓄えもない。
日々、目の前に起こる事を行き当たりばったりに処理し、起こそうとしている小事を楽しんでいるぐらいである。
でも、私の豊かさの尺度に、さほど大きな金額は要らない。
でも、その私の尺度(物差し)を、子供に当てはめて良いものか?疑問は大きい。
私には、親と言う立場自体が「向いていない・・・。」のだろうか?
なんとしても頑張らねば・・・!!!