仕事関係の葬儀に参列したのは、先週の事。
孫に当たる青年は、喪主の隣に立っていた。
葬儀には不似合いと思える爽やかさで、笑顔にも見えた。
流行りの髪形と、洒落た喪服である。

葬儀の最後、喪主ではない孫の彼がマイクの前に立ち、代表の挨拶をした。
孫ならではの思い出と、遺族の存分な看護の報告、そして、参列者への感謝の言葉・・・。
飾らぬ言葉、さっきまで気丈にしていた彼が、声を漏らして泣きながら締め括った言葉は、「祖父は、幸せだったと思います。」であった。
啜り泣く参列者の誰もが、そう思ったはずだ。