長男、今年も地元の水泳大会に学校代表として出場した。
種目は、「50m自由形」「50m平泳ぎ」「100mリレー」である。

彼は、一応スイミングスクールに週に1回だが通っている。
もっと懸命な者は、週に5回通う選手コースもあるが、彼はそれは目指さない。
目指していないが、今年、県の大会で「25mバタフライ」の金メダルを獲った。
それに、去年、5年生の時の同大会で、「25m平泳ぎ・準優勝」「50m平泳ぎ・優勝」「100mリレー・優勝」の成績を収めている。
そして、今日を迎えた。

「50m自由形」3位、しかも、いつも自分より遅いはず友が優勝を果たした。
「50m平泳ぎ」6位までの成績の中に、彼の名前は無かった。
しかも、その優勝者は、去年でスイミングスクールを止めている他校の生徒・・・、もちろん、当時は彼よりずいぶん下の級でしかなかった。
「100mリレー」は、2番手の彼がトップに出て、そのまま逃げ切り優勝した。

これからどうするのか、私は楽しみで仕方ない。
アイツはいつも、私の目の届かないところで努力して私を喜ばせてくれた。
しかし、それは自分のためであることも彼は知っている。

大会を終えて自宅へ向かう車内で私は聞いてみた。
「悔しい!」
そう、彼は窓の外を見ながら答えた。